純真さと知性と…清宮に感じたスーパースターの資質

[ 2017年11月28日 11:00 ]

日本ハムファンフェスタで行われた新入団選手紹介で「北海道から世界へ」と色紙に記すドラフト1位の清宮幸太郎内野手
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 ビッグマウスという言葉は当てはまらない。天真らんまん、純粋、素直…そして、知性に満ちあふれている。日本ハムのドラフト1位・清宮に心を掴まれた。

 目標は明確。そして、18歳にして自分の言葉を持っている。一番驚いたのは11月26日のファンフェスティバル。新入団選手紹介で登場。球団OBの森本稀哲氏ら司会者から「本塁打は何本ぐらい打てそう?」と問われると「60本で」と即答した。満員となった3万9606人のファンが大きくどよめき、拍手が沸き起こった。「振られたから大きく言っておこうと思った。まずは(早実の先輩である)王さんの記録(55本塁打)を目標にやっていければ」。そして、色紙に記した目標は「北海道から世界へ」。スケールがとにかく大きい。「世界」の意味を問われると、「世界(の意味は)はメジャーです。メジャー以外ないです」と言い切った。高校通算111本塁打のゴールデンルーキー。当然とはいえ、「ずっと高校の時からある」というサインも慣れた手つきで驚いた。

 知的さを感じたのは同25日に新入団発表記者会見だ。背番号21が発表されると「意味合いは(メジャー通算3000安打の)ロベルト・クレメント、あと(トランプゲームの)ブラックジャックで一番強い番号。2と1を足したら(早実で背負い、ベーブ・ルースや長嶋茂雄が現役時代に付けた番号でもある)3になる。(自分に)合っているなと思った」と自ら説明した。会見場所だった大倉山ジャンプ競技場については「本当、高いっすね。びっくりしました。こんなところから飛んでるんだ」と無邪気に驚きつつ、「(夏場は)人工芝のイメージですね。(札幌五輪が開催されたのは)72年ですよね?一応、頭に入れておいた方がいいなと思って」と印象を口にした。会見前の下調べはまるで当然のようだった。

 振り返ればドラフトの翌日の10月27日の指名あいさつ。テスト期間中のため、清宮は取材に応じなかったが、指揮官はその人柄にほれ込んでいた。「引きつける何かがある。ベーブ・ルースってあんな感じだったのかな。間違いなくみんなに愛される選手になる。僕の中で確信している」。「野球の神様」と呼ばれた米国の国民的ヒーローと清宮の姿が重なったのだ。

 今ははっきりと分かる。野球を愛し、野球に愛されている。二刀流・大谷だけではない。清宮にもスーパースターの資質が間違いなく備わっている。(記者コラム・柳原 直之)

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2017年11月28日のニュース