阪神・糸原 掛布超え倍増!ドラ5以下新人野手では異例の昇給

[ 2017年11月22日 09:40 ]

倍増の1600万円でサインした糸原
Photo By スポニチ

 阪神の糸原健斗内野手(25)が21日、西宮市内の球団事務所で契約更改し、800万円から倍増となる1600万円(金額はすべて推定)でサインした。

 ドラフト5位以下の新人野手が、初めて臨む契約更改で倍増するのは極めて異例で“掛布超え”のレジェンド昇給を達成。来季、遊撃のレギュラー候補の1人で、さらなる飛躍が期待される。

 糸原の表情に笑みはなかった。むしろ、来季雪辱を誓う雰囲気すら漂っていた。「球団からはケガするまでは頑張ってくれた、と言われた。ケガしたことが一番悔しい」。7月19日の広島戦で右膝の内側側副靱帯(じんたい)を損傷し、約3カ月も離脱したことを悔いた。ただし、額面は800万円からの倍増となる1600万円。今季の活躍を評価されてのものだった。

 新人では唯一の開幕1軍を果たし、5月からは二塁や遊撃でスタメン出場する機会が増えた。7月9日の巨人戦ではプロ初の本塁打&サヨナラ安打を放つなど、新人らしからぬ活躍を見せ、66試合で打率・259、1本塁打、24打点。故障離脱したとはいえ、倍増に値する働きだった。

 ドラフト5位以下の新人野手が、1年目のオフに倍増するのは近年、例がない。同6位だった前2軍監督の掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)が、74年オフの契約更改で、96万円から180万円にアップ。つまり糸原は“掛布超え”を果たしたわけだ。

 交渉役の嶌村聡球団副本部長は「40試合スタメンを勝ち取っているし、ショートが多かった。特に勝負強い打撃が目立った」と高評価。現状、正遊撃手の最有力候補である大和は、国内フリーエージェント(FA)宣言し、オリックス、DeNAと交渉するなど、流出の危機にある。同副本部長は「どこを守るかは別として、(レギュラーとして)やってもらいたい選手」とハッパを掛けた。

 思いは本人も同じだ。プロとして初めて迎えるオフに「打つ、走る、守るの全てでレベルアップして、一年間戦える体をつくりたい。ずっと練習して過ごしたい」。年末年始も不休の誓いを立て、空白の3カ月間を取り戻す決意を見せた。

 もちろん、大和の去就に関係なく、遊撃のレギュラー候補の1人。「(遊撃の守備では)チームに迷惑をかけた。しっかり守れるように」と抱負を語りつつ、「任されたところで、そのチャンスをつかめるようにやっていきたい。レギュラーを狙っていきたい」と、二塁、三塁も視野に入れた。倍増の評価を正しいものにするため、来季も全力疾走する。

続きを表示

2017年11月22日のニュース