分業制の時代、投手に厳しい名球会基準…ソフトB工藤監督の提案は

[ 2017年11月17日 11:00 ]

今年1月に行われた名球会東西対抗戦の1回、小久保氏と対戦するソフトバンク・工藤監督
Photo By スポニチ

 秋季キャンプ中の休養日のことだ。宮崎市内のゴルフ場でオフの初ラウンドを楽しんだソフトバンク・工藤監督との雑談はハワイ優勝旅行から同日程で行われる名球会イベントへ。しっかり休めるつかの間のオフだが「名球会」のフレーズに指揮官は苦笑いした。

 「今年1月はサンマリンでやったよね。2イニング投げ、その後、ライトも守った。投げるやつがいないんだよ。投手がいない」

 今年1月にサンマリン宮崎で行われた「名球会フェスティバル2017 in宮崎」の東西対抗戦。ソフトバンクの工藤監督は「投」と「守」でフル回転した。先発で2回7安打5失点。昨年1月の同イベントは当初1イニングの予定だったが、体調不良の先輩に代わり、続投した。200勝、250セーブの入会ラインは登板間隔が守られる現代の野球では、クリアする者が激減しているのだ。

 「例えば登板数とかね。800試合とか。そういうのもあるよね。それだけ投げるとベスト10以内には入る」。工藤監督の口から新しい提案を聞いた。過去800試合に投げた投手は6人全員が名球会入りしている。ただ、ソフトバンク・五十嵐は今季終了時点で現役最多754試合だ。アメリカの83試合を加えれば837試合で条件を満たす。日米通算65勝39敗70セーブ、161ホールドだが、光を浴びにくい救援の道を究めてきた投手にも門戸を開放できる。

 今季、新たに名球会入りしたのは中日・荒木、巨人・阿部、阪神・鳥谷の野手3人。だからと「200勝」のラインを下げたり「勝利+セーブ数」などの後付けでは数合わせとの批判もあるだろう。投手分業制の時代。名球会の「高齢化」を避けるためにも新たな対策は必要だと思う。 (記者コラム・福浦 健太郎)

続きを表示

2017年11月17日のニュース