輝いた細川兄弟 ともに頂点まであと一歩 ひと冬越えた姿が楽しみ

[ 2017年11月15日 10:20 ]

日本シリーズ初の高卒新人野手初打席初安打を放ったDeNA・細川
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 今秋、そろって輝きを放った兄弟だ。DeNAの高卒新人外野手・細川成也と明秀学園日立の2年生エース・細川拓哉。プロとアマの違いはあるが、ともに伸びしろを秘めている。

 兄の成也は10月3、4日の中日戦で高卒新人史上初の快挙となるデビューから2戦連続アーチをマーク。当初は2戦限定の昇格予定だったが、ラミレス監督はこの2発を見て細川の1軍同行延長を決断。小川博文打撃コーチからマンツーマンで指導を受ける日々が始まった。

 「小川さんの指導を受けて、自分の中でいろいろ修正できた。試合でも低めの変化球にしっかりバットが止まるようになった」

 CS前に組まれた社会人との練習試合3試合で結果を出し、メンバー入りを勝ち取った。「細川は将来スーパースターになれる素質がある。新人でCSを経験するのは彼の将来にとっても良いこと」。大抜てきの背景には、ラミレス監督の大きな期待があった。

 CSでは計5試合に全て代打で出場して通算3打数1安打1打点(2四球)。日本シリーズでは代打で出場した第1戦で高卒新人野手史上初の初打席初安打を放つなど、通算4打数2安打だった。ポストシーズン通算打率は・429。重圧のかかる舞台でも結果を残した19歳は現在、奄美大島での秋季キャンプでバットを振り込んでいる。

 一方、2歳下の弟・拓哉は明秀学園日立のエース右腕として、10月下旬の秋季関東大会4試合中3試合に先発(うち2完投)。4試合で29回2/3を投げて準優勝に導き、春夏通じて同校初の甲子園となる来春センバツ出場を確実にした。センバツ出場の目安となる4強入りを懸けた高崎健康福祉大高崎(群馬)との準々決勝では、15安打を打たれながらも5失点完投。7―5で強豪を撃破した。

 最速144キロを投げ、打っても5番を務める拓哉は「兄の活躍は凄く刺激になっている。今後は甲子園で勝てるチームになりたい」と意気込む。光星学院(現八戸学院光星)で巨人・坂本勇を育て、12年から同校を指揮する金沢成奉監督も「細川はまだ発展途上だが、一つ一つの球は良いものを持っている」と評価し、さらなる成長に期待を寄せる。

 成也のDeNAは日本シリーズでソフトバンクに敗れ、拓哉の明秀学園日立も関東大会準優勝。ともに頂点に一歩届かなかった悔しさをバネにして、来季への練習に励んでいる。2人がひと冬越えてどんな姿を見せてくれるのか、来春が楽しみだ。(記者コラム・原田 真奈子)

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