明徳・馬淵監督、亡き母にささぐV 市川完封で36年ぶり頂点

[ 2017年11月15日 05:30 ]

明治神宮野球大会 高校の部決勝   明徳義塾4―0創成館 ( 2017年11月14日    神宮 )

優勝し完封の市川(中央)に駆け寄る明徳義塾ナイン
Photo By スポニチ

 高校の部の決勝が行われ、明徳義塾(四国)が創成館(九州)を4―0で下し、1981年以来36年ぶり2度目の優勝を果たした。エース右腕の市川悠太投手(2年)が完封。馬淵史郎監督(61)は11日に死去した母、中本アキさん(享年95)に弔い星をささげた。大学の部は星槎道都大(北海道2連盟)と日体大(関東5連盟第1)が15日の決勝に進出した。

 天国の母にささげる日本一だった。自身初の明治神宮大会制覇。11日の初戦の朝に母、中本アキさんを亡くした馬淵監督は「ウイニングボールを墓前にささげたい」と感慨深げな表情を浮かべた。

 大会中で通夜や告別式を欠席。死に目に会えず「子供(選手)を預かる以上、これも宿命というかね。勝負の世界にいる以上はしようがない」。歴代5位の甲子園通算49勝。グラウンドを主戦場に戦う男の言葉だった。

 13日の準決勝後、涙を浮かべ「あと1勝やぞ」と選手にハッパをかけた。3連投の市川は94球で4安打完封。秋の公式戦10試合を一人で投げ抜いた絶対的なエース右腕は「監督さんを勝たせて男にしようと話していた」と熱い思いを吐露した。

 指揮官は高知を出発する際、母に優勝を約束。「(決勝翌日の)15日までは生きとってくれよ」。その願いはかなわなかったが、約束は果たした。61歳の名将は「(キャリアの中で)夏の甲子園、国体、神宮と勝ったから、残るはセンバツ」と次の照準を定めた。

続きを表示

2017年11月15日のニュース