歓喜のナインの中で…ベンチで涙したソフトB上林 大ブレークも「まだまだ」

[ 2017年11月7日 13:05 ]

10月21日のCSファイナル第4戦の試合前、侍ジャパンの稲葉監督から打撃指導を受けるソフトバンク・上林
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 ベンチ前に笑顔が広がる中、ただ一人、涙にくれた。10月22日、ソフトバンクと楽天のCSファイナルS第5戦。王手を懸けていたソフトバンクが7―0で勝利を収め、2年ぶりの日本シリーズ進出にヤフオクドームは歓喜に包まれた。しかし、この日出場選手登録を外れた上林誠知外野手(22)はうつむき、頬をつたう涙を何度もぬぐった。

 「自分に対してのいらだちというか…。普段泣くことはほとんどないので、自分でもビックリした。自分の中で何かあったんでしょう」。表情を変えずに淡々と振り返った。

 今季はレギュラーを獲得し、規定打席に到達するなどブレーク。しかし、シーズン終盤は調子を落とした。結局、日本シリーズは代打出場で1打席に立った1試合のみ。結果は見逃し三振だった。ただ、シーズンはまだ終わっていない。9日からは侍ジャパンの一員として合宿に合流する。

 「練習と体づくりがしたいので、このままオフの方が良かった」と来季に向けて、はやる気持ちもある。だが、チャンスを逃すわけにはいかない。「勝利につながる一打を打ちたい」と意気込み、「代表はプラスにしないといけない。せっかくの機会だから稲葉さんや近藤さんなどにいっぱい話を聞いて来年につなげたい」と経験を積んで帰ってくる。

 「毎年悔しいと思って終わる。何をしても、まだまだという感じ。悪いことで終わった方がオフも強い気持ちでやれると思う」。涙の先に、どんな成長した姿を見せてくれるだろうか。(記者コラム・後藤 実穂)

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2017年11月7日のニュース