阪神 揚塩新社長は野球を甲子園を愛する男 かつて「聖地の土」商品化阻止

[ 2017年11月7日 08:53 ]

12月1日に交代が決まり握手する四藤球団社長(左)と揚塩次期球団社長
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 阪神は6日、四藤慶一郎球団社長(57)が退任し、代わって電鉄本社取締役の揚塩健治氏(57)が球団社長に就任する役員人事を発表した。同日開かれた臨時球団取締役会で承認された。人事は12月1日付。

 第15代となる阪神球団社長に就く揚塩氏は「口には出しませんでしたが」と前置きし「いずれこういう時が来ればがんばろうと心の中で思っておりました」と秘めた念願だったことを明かした。

 「球団を退いてから6年8カ月。メジャーリーグなどいろんな情報に触れ、自分なりに勉強してきました」

 営業を担当した球団常務を退いたのが2011年4月だった。現職の四藤慶一郎氏が球団社長に就任した15年11月にも対抗馬として名前が挙がっていた。大阪府大の先輩として今回の人事でオーナー代行となる藤原崇起・本社会長がいる。

 01年7月から09年3月までの8年弱、第25代甲子園球場長を務めた。甲子園球場を愛し敬う姿勢は本物だ。「甲子園の土」売り出しやスコアボード横に広告看板を出す計画を阻止した。「甲子園は高校球児とタイガースの聖地。汚すような手法は本義ではない」

 球場長時代、甲子園歴史館開設の準備を整え、球団常務時代には今に続く、ファンや地域社会との連携「ドリームリンク・プロジェクト」を立ち上げた。

 大阪府堺市生まれ。府立富田林高では器械体操部。大阪府大では準硬式野球部で遊撃手を務めた。「野球経験者と言われるのは恥ずかしい。ただ、野球への愛情はあります」

 今の四藤慶一郎球団社長とは同年代。同じ職場にいたことも長く、気心が知れる。引き継ぎは円滑だろう。

 「03、05年と甲子園でのリーグ優勝に立ち会った。強運だと自分に言い聞かせている」

 金本監督支援は当然で、7日には秋季キャンプ中の高知・安芸を訪ね、握手を交わす。 (内田 雅也)

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2017年11月7日のニュース