ソフトB松坂退団へ 3年で1軍登板1度だけ…現役続行を強く希望

[ 2017年11月4日 06:03 ]

ソフトバンクを退団することが明らかになった松坂
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 ソフトバンクの松坂大輔投手(37)が、来季の戦力構想外となり退団することが3日、分かった。日本シリーズ終了後にも発表される。15年8月に右肩の手術を受け、復帰を期したが、3年契約最終年となる今季は再び、右肩の不調を訴えて1軍登板さえなかった。本人は現役続行を強く希望しており、国内球団を中心に移籍先を探すとみられる。

 日本シリーズが佳境を迎える中、松坂が静かにチームを去ることになった。関係者によると、3年間でわずか1試合の1軍登板にとどまった松坂に対し、球団は来季戦力構想外とし、本人にも通告を行ったという。

 14年オフに3年総額12億円の大型契約でソフトバンク入りし、9年ぶりの日本球界復帰を果たした。だが、右肩の不調に悩まされ、15年8月に右肩内視鏡手術を受けるなど、1軍登板は昨年10月2日の楽天戦での1回5失点のみ。昨オフにはプエルトリコのウインターリーグに参加。3月25日のオープン戦(対広島)では7回無安打無失点に抑えるなど復活間近を印象づけた。

 開幕ローテーションには漏れたが、4月15日のオリックス戦で日本球界復帰後初先発の予定も立った。ところが再び、右肩の不調を訴えて白紙。以降は関東地方の病院を中心にリハビリを続けたが、実戦登板はなかった。

 治療にめどがついた9月26日に福岡県筑後市のファーム施設に戻り「もう一度、何とかしたいと思っている」と語るなど、現役続行の意思は固いとみられる。10月には本格的な投球練習も再開できるまでに回復。力を入れた状態でも違和感はなくなっており、10月30日には捕手を座らせ39球を投じた。「投げられることは分かった。ここで一区切り。1回入ればいいところを3、4回ブルペンに入れた」と手応えを口にしていた。

 すでにファーム施設のロッカーは整理されており、今後は国内球団を中心に移籍先を探すとみられる。このオフに巨人を自由契約となった村田ら、今年は松坂世代で戦力外や現役引退を表明する選手が増えている。

 来季は38歳になる平成の怪物。復活への道のりは険しいが、それでも前を向く日米通算164勝右腕の今後の動向が注目される。

 ◆松坂 大輔(まつざか・だいすけ)1980年(昭55)9月13日、東京都生まれの37歳。横浜高では98年の甲子園で春夏連覇。夏は京都成章との決勝戦でノーヒットノーランを達成した。同年ドラフト1位で西武入団。99年に16勝で最多勝、新人王などに輝いた。主なタイトルは最多勝3度、最優秀防御率2度、最多奪三振4度、沢村賞。07年にレッドソックスに移籍し、同年のワールドシリーズで日本選手初の勝利投手になり世界一。インディアンス、メッツを経て15年にソフトバンク入団。五輪、WBCとも2度出場。1メートル83、93キロ、右投げ右打ち。

 ≪日本復帰後の松坂≫

 ▽14年12月5日 福岡市内でソフトバンク入団会見。

 ▽15年3月4日 阪神とのオープン戦で日本復帰初登板。3回4安打無失点だった。

 ▽同3月18日 体調不良を訴え、インフルエンザの診断を受け離脱。開幕絶望となった。

 ▽同4月2日 右肩の筋肉疲労が判明し、ノースロー調整が決定。

 ▽同8月18日 関東地方の病院で右肩の内視鏡手術を受け、シーズン中の復帰が絶望。

 ▽16年10月2日 シーズン最終戦の楽天戦で日本復帰後公式戦初登板したが、1回を3安打4四死球5失点。「良くも悪くも投げることができて良かった」

 ▽17年3月25日 広島とのオープン戦で7回無安打無失点の好投も、開幕ローテーション入りならず。その後、右肩痛でリハビリ生活に入る。

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2017年11月4日のニュース