筒香 データはV率100% 敵地であと2勝「前回とは違う」

[ 2017年11月4日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2017第6戦   DeNA―ソフトバンク ( 2017年11月4日    ヤフオクドーム )

気合のこもった表情で2本のバットを振り回す筒香
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 DeNAの主砲・筒香嘉智外野手(25)が3日、野球人生初の日本一を宣言した。敵地から3連敗したが本拠地で2連勝して、4日の第6戦に向けて再び福岡入り。ヤフオクドームで全体練習を行った最強スラッガーは、逆転日本一の「吉兆データ」を引っさげ、仲間とファンのために下克上を目指す。

 祝日でにぎわう羽田空港。敵地・福岡に乗り込む航空機を待つ筒香は、泰然としていた。あと2勝で日本一。静かに、頂への思いを語った。

 「僕はこれまで日本一になったことがないから、正直どういうものかというのは分からない。もちろん、日本一になりたいと思っている。でも、それは一人では成し遂げられないこと」

 中学硬式野球の強豪・堺ビッグボーイズ、横浜高とエリート街道を歩んできたが、意外にも一度も日本一になったことがない。中学時代は3年時の全国ベスト8、横浜高時代は2年夏の甲子園4強入りが最高。そんな野球人生だから、目の前に頂点が見える今の環境に感謝の気持ちを持っている。

 「今のベイスターズのチームメート、そして横浜のファンがいたからこそここまで来ることができた」

 日本一になることが、その恩返しになる。2日の第5戦ではシリーズ初アーチを含め、4打数2安打3打点。チームを3連敗という崖っ縁から、チームカラーのブルーで染まったハマスタで2連勝へと導いた。

 シリーズは5試合で16打数5安打3打点。ここぞの場面で頼りになる主砲は敵地でも「やることは変わらない」と、自らが先頭に立ってチームをけん引する覚悟を示した。ヤフオクドームで行われた1、2戦目は2連敗に終わったが、全体練習を終えた主砲は「選手たちはみんないい雰囲気でやれていると思う。前回とは違う」と雪辱に自信を見せた。

 3連敗から逆転日本一に輝けば、89年巨人以来28年ぶりの快挙となる。崖っ縁からはい上がり、球史に残る「下克上」を、筒香が完成させる。 (中村 文香)

 ≪V率100%≫敵地スタートの日本シリーズで3連敗しながら、再び敵地に乗り込んだチームは58年西鉄、86年西武、89年巨人の3チーム。全て3連敗からの4連勝で日本一に輝いている。今季のDeNAもこのパターンに当てはまるが、V率100%をキープできるか。

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