キヨシ提言 1番桑原は塁に出ろ「死球でもいい。チームに元気が生まれる」

[ 2017年10月31日 08:45 ]

SMBC日本シリーズ2017第3戦   DeNA―ソフトバンク ( 2017年10月31日    横浜 )

CSファイナルステージで値千金の本塁打を放ったDeNA桑原
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 敵地で2連敗スタートとなったDeNAは、本拠・横浜スタジアムに戻って戦う31日の第3戦で初勝利を狙う。前監督でスポニチ本紙評論家の中畑清氏(63)は立て直しのキーマンに、2試合出塁なしの桑原将志外野手(24)を指名。アレックス・ラミレス監督(43)は先手必勝を誓った。

 今こそ原点回帰だ!日本シリーズ連敗スタートとなったDeNA。泥んこになって勝ち上がったCSから一転、カッコよく勝とうとしすぎてんじゃないかな。

 たとえば桑原。いいヒットを打って出塁しようという意識が強すぎる。CSファイナルSでは22打数8安打、打率・364。ホームランも打って4得点4打点と活躍した。その気になってボール球に手を出して9打数無安打。目下5打席連続三振で、一度も出塁できていない。1番バッターがこれじゃあ打線は盛り上がらない。

 一方、ソフトバンクは1番に入った柳田が2試合とも初回にヒットで出て先制のホームイン。8打数4安打、打率・500で4得点3打点。死球が1つあって出塁率は・556だ。タイムリー2本を含む4安打はいずれもシングル。右脇腹痛から戻ってきて、必死にボールに食らいついていく姿勢がある。

 人のふり見て我がふり直せ。桑原は思い出してほしいな。1番打者の使命はまず塁に出ること。ボテボテでもいい。しっかりボール球を見極めて四球でも、当たってでもいい。貪欲に、泥くさく塁に出る。それができたからこそ1番のレギュラーをつかんだ選手なんだから。

 どんな形でも桑原が塁に出ればチームに元気、勢いが生まれる。8打数1安打でまだ打点がないセ・リーグの打点王、ロペスもボール球に手を出すシーンが目立つけど、走者が塁上をにぎわす場面で打席に入れば本来の形に戻るはずだ。

 第3戦は久しぶりの横浜スタジアム。地元の熱いファンと一緒に「日本シリーズをエンジョイしようぜ!」という雰囲気になってくれたらいいな。

 そもそもセ・リーグ3位のチーム。捨て身でCSを勝ち上がってきた。パのチャンピオンとしちゃやりにくい相手だよ。敵地では捨て身の特権を生かせなかったけど、我が家に戻ったんだから裃(かみしも)を脱いじゃおう。

 何も失うものはない。若さを前面に出し、伸び伸びプレーしてほしい。最後まで野球ができるんだから幸せじゃないか。1試合でも多くやろうぜ。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

 ▽桑原の今ポストシーズン 先制点に絡んだのは2度。CSファーストS第3戦では初回に先頭で四球を選び、無死一、三塁からロペスの左前適時打で生還。CSファイナルS第2戦では3回1死から左前打を放ち、2死満塁から宮崎の2点左前打でホームインした。日本シリーズでは5打席連続三振でシリーズ記録に並んでいる。

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