中村晃 日本S8打席目初安打がV撃「鳥肌…興奮。健太に感謝」

[ 2017年10月30日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2017第2戦   ソフトバンク4―3DeNA ( 2017年10月29日    ヤフオクドーム )

<ソ・D>7回2死満塁、逆転の右前2点打を放つ中村晃
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 二塁上で祈った。1―3の7回、柳田の中前適時打で1点差に迫る。なお2死満塁。勝ち継投に入ったパットンのチェンジアップを、ソフトバンク・中村晃は右前に運んだ。DeNAの快進撃を支えてきた継投策を打ち砕く一打。まずは同点。今宮が本塁に頭から滑り込むと、リプレー検証となった。

 「タイミングは完全にアウトだった」

 走者からはそう見えた。しかし、判定は覆った。「今までにないくらいの大歓声で鳥肌が立ったし興奮した。健太に感謝」と今宮を称えた上で「(安打が)そろそろ出るかなと思っていた」と笑った。

 8打席目、日本シリーズ初安打が逆転の決勝打だ。焦りはなかった。「すぐ終わっちゃう。打ってやろうとプラスに考えられた」。プロ10年目。短期決戦の切り替え方は分かっている。パットンとは初対戦だったが「シンプルに甘い球を打とう」と雑念はなかった。

 8月から状況に応じてバットを短く持つのをやめた。「当てるばかりではなく、長打を打てるように」。単打だけでは相手投手に恐怖を与えられず、相手守備位置も前になる。梶谷の前進守備の位置にどれだけ影響を与えたかは分からないが、強く振る信念は大舞台でも貫かれている。

 楽天とのCSファイナルS第2戦ではバントミスもあり、追い詰められた。それでも第3戦の「殺されると思った」と話した涙の決勝弾で吹っ切ることができた。今ポストシーズンは2本の決勝弾を含め、打点付きの3安打がすべてV打。勝負強さを発揮している。

 「ベンチで2死満塁くらいで回ってくるかなとイメージしていた。内川さんがつないでくれて、みんなで取った2点です」

 クライマックスシリーズのファイナルステージから4戦連続で5番に座る。デスパイネ、内川の後ろで中村晃が輝けば、打線の破壊力はさらに増す。 (後藤 実穂)

 ≪CSファイナル2発に続き≫中村晃(ソ)が7回2死満塁から決勝の2点右安打。日本シリーズでの勝利打点は14年第4戦のサヨナラ本塁打に次ぎ自身2本目となった。また、楽天とのCSファイナルS第3、4戦でも決勝弾。チームの今季ポストシーズン5勝(CS3勝=アドバンテージを除く、日本S2勝)のうち、3勝にV打で貢献したことになる。なお、今季レギュラーシーズンではパ5位で球団トップとなる満塁打率・429をマークしていたが、大舞台でも強さを発揮した。

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