阪神1位の仙台大・馬場 外れ外れで2球団競合「1年目から1軍で」

[ 2017年10月27日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議=阪神1位・馬場皐輔投手(仙台大) ( 2017年10月26日 )

金本監督?とがっちり握手する仙台大・馬場
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 「プロ野球ドラフト会議 Suppoted by リポビタンD」が26日に都内ホテルであり、阪神は7球団競合の早実・清宮幸太郎内野手(18)を抽選で外すなど3度目の1位重複指名の末に仙台大の155キロ右腕、馬場皐輔投手(22)の交渉権を獲得した。今秋リーグ戦では37回60奪三振を記録した“みちのくのドクターK”。13年ぶり優勝を狙う来季1年目からの活躍に期待が膨らむ。

 外れの外れでの1位指名とはいえ、2球団が競合。阪神・金本監督が右拳を突き上げた瞬間、馬場は何度もうなずき、ようやく白い歯がこぼれた。

 「まさか1位で来るとは思わなかった。ビックリしている。1年目からしっかり1軍のマウンドで、軸となれるような投手になりたい」

 早くも自覚は十分だ。今秋の仙台六大学野球リーグでは「みちのくのドクターK」の名にふさわしい投球を見せた。5試合に先発して無傷5連勝。最速155キロの直球に加え、スライダーやスプリットを駆使し、東北大戦の9回17奪三振を皮切りに開幕から36イニング連続無失点。4戦連続2桁奪三振を記録するなど今秋は計37回60奪三振という驚異的な数字を叩き出した。「チームを勝たせられる投手になりたい。ゼロにこだわりたい」。秋季リーグの開幕前に森本吉謙監督(43)から「プロはほしいと言われていくところ。自分を高めて、チームを勝たせられる投手になれ」と奮起を促され、圧巻の活躍を見せた。

 甲子園球場にも浅からぬ縁がある。「印象が強い」と振り返る仙台育英3年時の13年夏の甲子園大会。初戦の浦和学院戦では3回途中から救援し、6回1/3を2失点の力投で同年春の選抜王者に対して11―10の逆転勝利を呼んだ。「またあの素晴らしい球場で投げられるうれしさがある。自分のパフォーマンスが出せる投球ができる」。心は早くも虎色に染まり、聖地への帰還に胸を躍らせた。

 同じ阪神から3位指名された立大・熊谷とは仙台育英の同期。苦楽を共にした球友の名前が呼ばれ、自分が指名された時以上に顔をほころばせた。「1軍で一緒に、投手と内野手という形で頑張りたい。2人で高め合っていきたい」と力を込める。「1年目から優勝に大きく関われる投手になりたい。任されたポジションで頑張りたい」。金本監督を男にするかもしれない存在が、夢舞台への大きな一歩を踏み出した。(池田 翔太郎)

 ≪外れ外れ1位は球団4人目≫阪神が3度目の入札(外れ外れ1位)で交渉権を獲得するのは馬場が4人目ですべて投手。これまで08年蕭一傑、13年岩貞、14年横山を獲得している。

 ≪馬場 皐輔(ばば・こうすけ)≫

 ☆生まれとサイズ 1995年(平7)5月18日生まれ、宮城県塩釜市出身の22歳。1メートル80、90キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小3から「塩釜ドラゴンズ」で野球を始め一貫して投手。中学時代は「七ケ浜シニア」に所属。仙台育英では2年秋から背番号11でベンチ入りし3年春夏ともに同10で甲子園出場。春は3試合登板で8強入りし夏も2試合に登板。仙台大では1年春からリーグ戦に登板し通算32試合で15勝6敗、防御率1・34。今秋はベストナイン選出

 ☆持ち球 最速155キロの直球にスライダー、フォーク、カットボール、スプリット

 ☆目標の投手 「特にいない」そうだが、幼少期は楽天の本拠地で西武・松坂(現ソフトバンク)のユニホームを着て応援。

 ☆教えを受けたい投手 能見の名を挙げ「打ち取り方だったり、ゲームのつくり方だったり、投手として必要なことを聞いてみたい」

 ☆好きな言葉 弱気は最大の敵

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