【2017年ドラフト セ・リーグ総括】投手指名1人の巨人に驚き DeNA 注目左腕一本釣りの理由

[ 2017年10月26日 20:53 ]

巨人1位の中大・鍬原はチームメートに胴上げされる
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 投手の指名が1位指名の鍬原(中大)だけだった巨人のドラフト戦略には驚いた。社会人の捕手2人に、野手は大学社会人4人で高校生は8位・湯浅(高崎健康福祉大高崎)だけ。即戦力を多く獲得することでチーム内の競争力を高める狙いなのか。成長してきた小林、宇佐見もうかうか出来ないだろう。

 阪神も6人中、高校生は6位の牧(啓新)1人だけ。清宮、安田を外したものの外れ外れの1位で指名した馬場(仙台大)は最速155キロの馬力ある右腕。まだ粗削りだが、1年目から出てくる可能性を十分に秘めている。4位の島田(上武大)は足のスペシャリスト。外野の定位置争いに割り込んできそうだ。

 広島は中村(広陵)を獲得できたのが大きい。足、肩はすでに1軍クラス。木のバットに慣れれば早い段階で出てくるだろう。何より地元出身選手。緒方監督が引き当てた際にほっとした表情を見せていたのが印象的だった。2位・山口(熊本工)、5位・遠藤(霞ケ浦)とも潜在能力は高い。2軍でみっちり鍛えれば、将来的にローテーションも狙える可能性は秘めている。

 中村を外したものの、外れ1位で即戦力右腕の鈴木博(ヤマハ)を単独で指名できた中日はほぼ思い通りのドラフトになったのではないか。鈴木博は先発でも後ろでも使える馬力ある右腕。森監督も使い甲斐があるのでは。チーム全体に高齢化が顕著だっただけに2位以下の5人はすべて高校生を指名。2位・石川(青藍泰斗)は1位で消えてもおかしくない素材だ。まだ線は細いが、体が出来れば早い段階で1軍で活躍できるだろう。

 ここ数年、ドラフトでの補強が大成功しているDeNA。現有戦力とポジションが重なる清宮、安田らは避けて東(立命大)の一本釣りに成功した。外れ1位なら重複する可能性もあっただけに、ラミレス監督にとってはしてやったりではないか。上背はないが安定した投球ができる東。今永、石田、浜口らととともに左腕王国を形成できる逸材だ。5位・桜井(日大三)は投手と野手のどちらで使うのか。チームの野手陣は脂が乗りきっているだけに、見極める時間があるのも大きい。

 清宮を外したが村上(九州学院)を外れ1位で引き当てたヤクルト。捕手というポジションに加えて、清宮に勝るとも劣らない打力は魅力十分。正捕手・中村を脅かす存在まで時間はかからないだろう。指名した4投手はすべて右投手。2位・大下(三菱重工広島)、3位・蔵本(岡山商大)は1年目から1軍を狙える素材。チームとしては手薄な左腕を補強したかったはずだが、今回のドラフトではタイミングがなかったのだろう。

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