ラミ監督 連夜の神継投 データ重視とアイデア&信頼

[ 2017年10月25日 05:37 ]

セ・リーグCSファイナルS第5戦   DeNA9―3広島 ( 2017年10月24日    マツダ )

<広・D>シャーレを掲げるラミレス監督
Photo By スポニチ

 連夜のマジックが19年ぶり日本一への懸け橋を描いた。DeNAのラミレス監督は初回で2失点の石田を見切り、2回から2番手・三嶋へスイッチ。さらに4回からブルペン待機させていた浜口を迷わず投入。魔法のタクトで日本シリーズ進出に導いた。

 「どの試合も簡単ではなかった。僕はただ決断しただけ。それを実行したのは選手、選手が頑張った」

 スタンドからは「神ってる」ならぬ「ラミってる」の声援が飛ぶ中、敵地ファンからも拍手が注いだ。前日はチーム最多11勝を挙げた今永をプロ初の中継ぎ起用し、2回無失点。この日もプロ初中継ぎとなった浜口の投入で、主導権を握った。

 采配はデータ重視が基調。前日の今永は先発マスクの嶺井と防御率1・68という相性を買った。浜口はその嶺井とバッテリー経験がないがマツダスタジアムで防御率3・00、19日の第2戦でも7回2失点で勝利投手となった。球場ごとの相性にかけた。

 雨も味方につけた。18日の初戦は5回でコールド負けも19日に先発した浜口は21、22日の雨天中止により中4日で中継ぎ登板できた。「短期決戦では普通の人が考えないようなアイデアが重要」。膨大なデータと少しの奇抜なアイデア。あとは選手を信じ抜くだけ。現役時代の終盤から将来の監督就任を志し「自分ならここでどうするか」考えながらプレーした。

 尊敬する指揮官には現役時代に仕えた若松勉氏、原辰徳氏の2人を挙げる。選手がプレーしやすい環境づくりを重視。シーズン中から8番に投手を据え、筒香とロペスの3、4番を時に入れ替え、2番は攻撃的な梶谷と機動力重視の柴田を併用するなど、自在な采配がさえ渡った。

 「次の目標はもちろん日本一だが、今の目標はまずパーティーをエンジョイすること」。ボールパークの魔法使いは屈託なく笑った。 (後藤 茂樹)

 ≪14年阪神の7ゲーム差≫レギュラーシーズン3位のDeNAが98年以来19年ぶり3度目の日本シリーズ進出を決めた。リーグ優勝チーム以外の出場は07年中日(2位)、10年ロッテ(3位)、14年阪神(2位)に次いで4度目。セで3位チームが勝ち上がったのはDeNAが初めてだ。今季のDeNAはレギュラーシーズンで優勝した広島に14.5ゲームの大差。過去のCSで優勝チームに最も離されてシリーズに進出したのは14年阪神の7ゲーム差。2桁ゲーム差をつけられながらの進出はDeNAが初。

 【ラミレス監督の今CS神采配】

 ☆初戦に井納抜てき ファーストS第1戦の先発は今永が有力視されたが、昨季CSで2戦2勝の井納を抜てき。井納は今季6勝10敗だったが実績を重視。井納はファーストS第1戦は敗戦投手となるも6回2失点。ファイナルS第3戦は5回1/3を無失点で勝利投手になった。

 ☆今永の中継ぎ起用 ファイナルS第4戦で4―3の7回、救援経験のない今永を5番手で起用し、2イニングを完全救援。指揮官は「彼は救援で短い回なら148キロぐらい投げられる。何より(先発捕手)嶺井との相性を考え中継ぎ起用を選択した」と説明。

 ☆代打・乙坂大当たり ファーストS第2戦、5―4の7回1死一、三塁で代打・乙坂が左越え3ラン。乙坂はファイナルS第2戦でも代打で5回2死満塁から中前に2点適時打を放った。

続きを表示

この記事のフォト

2017年10月25日のニュース