広島・新井 来季も現役弾「黒田さんには“ボロボロになるまでやれ”と」

[ 2017年10月25日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第5戦   広島3―9DeNA ( 2017年10月24日    マツダ )

<広・D>6回無死、新井は中越えソロを放つ
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 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)は24日、マツダスタジアムで第5戦があり、セ・リーグ王者の広島は3―9で3位・DeNAにまさかの4連敗。日本シリーズ進出への道が途絶えた。今秋の決戦で初の4番に座った新井貴浩内野手(40)が6回に意地の一発を放ったが、投手陣が悪夢の5発被弾に沈んだ。この日は、チーム最年長野手の来季の現役続行が判明。雪辱への決意を胸に20年目に臨む。

 快音を発した打球がバックスクリーン左へ吸い込まれた。4点を追う6回、先頭打者の4番・新井がポストシーズン初本塁打となる意地の一発。4番手・三上の甘い143キロ直球を捉え、ファイナルS逆転突破を願う本拠地の大声援に応えてみせた。しかし…。

 「悔しいね。それしかない。それしか言葉が浮かばない…」

 今秋のCSファーストS第1戦で阪神・福留が放った40歳5カ月を抜く、4番としてのセ・リーグ最年長弾は空砲に終わった。33年ぶりの日本一を目指す大舞台にたどり着く前に、レギュラーシーズンで14・5ゲーム差をつけたDeNAに悪夢の敗退。朗報もある。

 プロ20年目を迎える来季の現役続行。親しい関係者に対し、新井が「黒田(博樹)さんには“ボロボロになるまでやれ”と言われているけど、自分の中ではまだ“ボロ”の段階だから、まだやらないといけない」と打ち明けていたことが、この日までに判明した。

 出場したCS4試合で13打数5安打。心技は、確かに衰え知らずだ。先発機会が減った今季は規定打席に届かなかったものの、出場100試合で打率・292、9本塁打、48打点をマーク。9回に代打逆転3ランを放った7月7日のヤクルト戦など、ここ一番で勝負強さを発揮した。

 敗戦後、進退を問う声に「終わったばかりだからまだ…」と言葉を濁したが、関係者にはこうも話している。「技術的なパフォーマンスが衰えたとは思っていないし、またファンの方に喜んでもらいたい気持ちも強い。カープのために…」

 短期決戦の怖さ、難しさを改めて体感した19年目の秋。「たくさん応援してもらったファンの方に、ありがとうと言いたい」。率先垂範でチームをけん引するベテランは、リベンジへの強い決意を胸に秘めながら、3連覇と日本一を目指す20年目のシーズンに臨む。(江尾 卓也)

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2017年10月25日のニュース