【石井一久 クロスファイア】「本拠無敗」ダルとバーランダーが崩せるか

[ 2017年10月25日 10:30 ]

ワールドシリーズ開幕を前に打撃練習を行ったドジャースのダルビッシュ(AP)
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 今年のワールドシリーズは、ともにレギュラーシーズン100勝以上を挙げた、文字通りの「頂上決戦」となった。しかも、両チームともポストシーズンは本拠地で一つも負けていない。ドジャースタジアムから始まる今年のシリーズ。当たり前のことだが、先に相手のホームで黒星をつければ、断然有利になる。僕はポイントはダルビッシュが先発する第3戦だと思う。デーブ・ロバーツ監督もその重要性を考えて、第2戦ではなく、第3戦に置いたのだろう。

 もし2連勝で来れば、相手のホーム1発目で初黒星をつければ、流れは決まる。ただ、アストロズも初戦カイケル、2戦目バーランダーの強力2本柱が先発するだけに、1勝1敗も考えられる。その場合でも第3戦を取れば、もう一度、ワールドチャンピオンへの流れを引き戻すことができる。アストロズの本拠ミニッツメイド・パークとの相性もいい。一番印象に残っているのは、13年最初の先発で9回2死までパーフェクト投球の快投を演じた試合で、悪いイメージはないはずだ。

 一方、アストロズ側から見れば、同じ役割を求められるのが、バーランダーになる。シーズン途中の移籍後は9勝0敗、防御率1・23で、今ポストシーズンも全盛期に戻ったような好調さ。タイガース時代に2度、ワールドシリーズを経験している。こちらは2戦目と6戦目に先発予定。ともに敵地だけに、1勝の意味は大きい。

 ダルビッシュも、バーランダーも、チームが「世界一への使者」として補強した投手。このクラスになると、相手どうこうよりも、自分のパフォーマンスを発揮できるかどうか。この2人の勝敗でワールドチャンピオンは決まるのではないか。

 ドジャースは僕が在籍していた頃からちょこちょこポストシーズンには出ていたが、どちらかと言えば、ただ「参加」しているという感じだった。でも、今年は大本命。個人的にはヤンキースとの対決が見たかったが、打撃力で対抗できるアストロズの方が厄介な相手だろう。3勝3敗で、第7戦にダルビッシュが登板するスリリングな展開も十分予想される。(スポニチ本紙評論家)

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