大阪市大、24年ぶりの優勝 指揮官「選手としても監督としても、なかなか勝てなくて…」

[ 2017年10月24日 16:59 ]

近畿学生野球秋季リーグ第4節   大阪市大4―2神戸大 ( 2017年10月24日    豊中ローズ )

24年ぶりの優勝を決め、辻盛英一監督を胴上げする大阪市大の選手
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 大阪市大は24日、神戸大3回戦(豊中)に4―2と勝利し、勝ち点5で完全優勝を果たした。大阪市大の優勝は1993年秋以来、24年ぶり3度目。

 選手たちから胴上げされた辻盛英一監督(41)は「感慨深く思います。うれしいと同時に責任を果たせて、ほっとしています」と話した。前回優勝は辻盛監督が県立奈良高2年のころ。「強い市大にあこがれて進学しました。でも、選手としても監督としても、なかなか勝てなくて……」

 2010年の監督就任以来、常に目標を「優勝」に置いていた。「今年のチームは個人の能力が高く、このチームで優勝できなかったら、監督を辞めようとまで思っていました」。

 ところが、春は全チームから勝利をあげながら、5位に沈んだ。「あの経験から、もう一度チームを見直した。個人の能力ではなく、チーム力を上げていこうと思った」。練習で手を抜かない、常に全力疾走する、1回から9回まで声を出す……といった原点に返り、全員野球を実践した。「結局は全員で戦うという姿勢が大きかった」

 売り物は監督の方針が行き届いた「超」の付く攻撃野球だ。公立大で有力選手を纂めるのは難しい。好投手の入学を待ったり、守備練習の長時間割くわけにはいかない。困難な環境を克服しようと行き着いた打撃重視だった。初球から積極的に行く。ボール球でも構わない。1イニング3球で終わっても構わない……といった姿勢が浸透している。

 この日も1―1同点の6回表2死一塁から、3番・河村祐輝(4年=岸和田)、4番・北野智大(4年=那賀)、5番・篠原漣(2年=彦根東)がそろって初球攻撃の3連続短長打で3点を勝ち越した。北野は「あれが自分たちの持ち味。らしさが出たと思います」と話した。「それともう一つ。自分一人で決めようと思わず、次につなげば何とかなる。全員で戦う気持ちが打線のつながりを生んでいました」

 主将の土井岳(4年=畝傍)は「優勝がこれほど苦しいものとは思いませんでした」と話した。「優勝という目標を立ててやっていましたが、何しろ自分たちには経験がありません。実際にそこ(優勝)までの行き方が分からなかった。これほどの苦しみを味合わないと勝てないんだと分かりました」

 試合後、ベンチを外れた控え選手やマネジャー、裏方さんら全員がそろって、記念撮影。最高の笑顔が並んだ。

    (内田 雅也)

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