楽天・嶋 お目覚めV撃 CS10の0から「1本出てよかった」

[ 2017年10月20日 05:30 ]

パ・リーグCSファイナルS第2戦   楽天2―1ソフトバンク ( 2017年10月19日    ヤフオクドーム )

<ソ・楽>連勝を喜び合う(右から)松井裕、嶋ら楽天ナイン
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 二塁ベース上で右拳を振り、両胸を何度も叩いた。1―1の7回1死二塁、楽天・嶋がCS初安打となる決勝左中間二塁打を放った。

 「ポストシーズンで全く打てていなかったので、1本出てよかった。ピッチャーが一生懸命、アウトを積み重ねていたのでその気持ちに応えたかった」

 この打席前までCS10打数無安打だった男の意地だった。打ったのは、カウント2―2からの145キロの内角直球。好調・千賀の直球をこの日の楽天の打者が引っ張った唯一の打球だ。「直球、フォークボール、どちらも対応しようとコンパクトに。でも、前の直球を見逃したので、真っすぐかなというのも頭をよぎった」と捕手らしい読みがあった。

 13年日本一から4年。今季はWBCの侍ジャパンに選出されたが、右ふくらはぎの負傷で出場辞退。患部をかばい、腰痛に見舞われ、4月末に戦列を離脱した。打率・199の苦しいシーズンも、短期決戦の勝負どころで存在感を発揮した。

 球場には5歳の長男と12月に2歳になる次男が由紀夫人と応援に駆けつけた。「上の子が“野球が見たい”って。初めて福岡に来たんです」。長男は12年4月生まれで、日本一になったときは1歳。物心ついた愛息の記憶に刻む2度目の日本一へ、思いは強い。

 かつての同僚、ヤンキース・田中が、ポストシーズンで好投する姿も力になった。「まだまだ厳しい戦いが続く。気を緩めたら足をすくわれる」。20日も勝利すれば、日本シリーズ進出へ王手。2勝1敗と一歩リードしても、嶋に笑顔はなかった。 (春川 英樹)

 ▼楽天・松井裕(1点差の9回を打者3人で抑えて2日連続セーブ)中継ぎ陣が走者を出しながら踏ん張っていたし、同点にするわけにはいかない。責任を持って自分の仕事ができた。

 ≪3位同士の日本シリーズなら史上初≫シーズン3位からCSファイナルSに進出した楽天、DeNAがともに勝利。両リーグで3位チームがファイナルSに進出したのは13年の広島、ロッテ以来4度目だが、同日に勝利したのは初めてだ。これまで3位チームは12回、プレーオフ、CSのファイナルSに進出しているが、日本シリーズの切符を手にしたのは10年ロッテのみ。3位同士の日本シリーズとなれば、もちろん史上初だがどうなるか。

 ≪1敗ハンデから連勝はパ初≫楽天が2連勝で対戦成績を2勝1敗とした。CSファイナルSで下位チームが1敗のハンデを背負いながら、1、2戦連勝したのは、12年中日、14年阪神に次ぎ3チーム目で、パ・リーグでは初めて。12年中日は3連勝後に3連敗し敗退、14年の阪神は4連勝で日本シリーズ進出を決めたが、楽天はどうか。

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