ラミ監督最敬礼 “最強5番”宮崎V撃に「筒香の凡退をカバーできた」

[ 2017年10月20日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第2戦   DeNA6―2広島 ( 2017年10月19日    マツダ )

<広・D>9回2死、宮崎が左中間にソロアーチを放ち、ナインの出迎えを受ける
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 DeNAは、広島に6―2で勝利した。5番・宮崎敏郎内野手(28)が3回2死満塁から左前へ先制2点適時打。9回にも左中間ソロを放ち、広島のアドバンテージを含め1勝2敗とした。パ・リーグは、楽天がソフトバンクに2連勝。両リーグの3位球団が、ファイナルステージで同時白星となったのは史上初で、下克上の雰囲気も漂ってきた。

 虎視眈々(たんたん)と狙っていた。内角をえぐってくる野村のシュートを引っ張るイメージが、宮崎にはできていた。打球は左前に落とす先制2点適時打。一塁上で会心の笑みを浮かべた。

 「短期決戦では、先制点が大事。どんどん攻めていかないといけない。先に点が取れたのは本当によかった」

 3回だ。1死一、二塁で、ロペスの右前打に二塁走者・桑原の判断ミスで三塁ストップ。なおも満塁だったが4番・筒香が外角へのシュートに空振り三振に倒れた。これを逃せば流れを失いかねない分岐点で、宮崎は「シュートはイメージできていた」と右肘を体に巻き付けるようにしてはじき返した。ラミレス監督も「筒香の凡退をカバーできた。大きな活躍」と最敬礼するほど価値があった。

 昨季の広島とのファイナルSで敗退した翌日。「筒香の後ろを打てる打者が必要」と指揮官が語った中で、台頭したのが宮崎だった。今季は打率・323で初タイトルとなる首位打者を獲得。求めていた5番打者が誕生した。控えめな性格の28歳は「出来過ぎだと思う」と謙遜するが、陰の努力が実を結んだ。

 ケガの多さが悩みで昨年末からセガサミー時代にケアをしてもらっていたトレーナーと契約。週に1、2回自宅で体のチェックを行った。今季は128試合に出場し、121試合で5番を務めた。「一年間ケガなく戦えたことが一番」と5年目の飛躍を振り返る。

 その打棒は、ポストシーズンでも輝いた。2―1の5回でも、1死一塁から筒香が二飛に倒れた後に、中越えエンタイトル二塁打。2死二、三塁とチャンスを広げて、代打・乙坂の2点打にもつなげた。9回にはダメ押しの左中間ソロ。3安打3打点の活躍で、ファイナルS初白星を呼び込んだ。これで広島のアドバンテージを含めて1勝2敗。「この勢いで明日もいきたい」。筒香の後ろにいる宮崎の存在こそが、今季のDeNAの強さを象徴している。 (中村 文香)

 ≪突破なら史上初≫DeNAが1勝2敗とした(広島にアドバンテージの1勝)。プレーオフ、CSファイナルで0勝2敗から1勝2敗としたのは昨年ソフトバンクに次ぎ7度目。セでは11年ヤクルト以来2度目。前回ヤクルトは第4戦も勝ちタイに持ち込んだがDeNAはどうか。

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