マー 伝説投手に並んだ!しびれる7回0封「自分をほめたい」

[ 2017年10月20日 05:30 ]

ア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦   ヤンキース5―0アストロズ ( 2017年10月18日    ニューヨーク )

<ヤンキース・アストロズ>5回、レディックを三振に打ち取り雄叫びを上げる田中(AP)
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 伝説に並んだ。ヤンキースの田中将大投手(28)が18日(日本時間19日)、アストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦(7回戦制)で7回3安打無失点。敵地連敗から本拠地3連勝に導き、8年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。同一ポストシーズンで2度の7回以上無失点は、ヤ軍では60年ホワイティー・フォード、00年ロジャー・クレメンスに次ぐ3人目の快挙だ。

 TANAKAに酔いしれた4万9647人の観衆、ヤンキースタジアムの中で、ア軍のクラブハウスだけは静寂が包む。第1戦で決勝打を放った4番コレアは第1戦との投球の違いについて聞かれ「全ての球がコーナーに投じられ、真ん中に入る球が1球もなかった」と唇をかんだ。

 「全ての球種が前回登板よりも良かった。その中でも制球が甘くなってしまっては意味がない」

 そう話した右腕が試合を支配し、両リーグ最高打率&最多得点の打線を黙らせた。投球は力強く、繊細。失投はなかった。5回1死一、二塁では1番スプリンガーを外角低めの94マイル(約151キロ)直球で見逃し三振、2番レディックをスプリットで空振り三振に斬り、雄叫びに球場は揺れた。

 速球の威力が一段と増した。前々回は12球、前回は14球だった93マイル(約150キロ)以上が、この日は23球を数えた。「球威で押せていた場面もあったと思う。それが変化球が生きた要因の一つ」とうなずいた。7回3安打無失点。速球を打たれた安打はなかった。

 2回続いた中4日先発は、登板間のブルペン投球を行わずに臨んだ。「試合でいかにいいパフォーマンスを出すか」。体への負担を軽減し、過去2戦をしのぐ馬力を披露した。

 伝説に肩を並べた。同一ポストシーズンで2度目の7回無失点はヤ軍では、球団最多236勝の左腕フォード、サイ・ヤング賞史上最多7度受賞のクレメンス以来だ。地区シリーズでは連敗の後の第3戦で快投し、逆転突破を呼んだ。そして、今シリーズも連敗から3連勝でリーグ優勝王手へ導いた。逆境をはね返すチームの中心に田中がいる。15年サイ・ヤング賞左腕カイケルとの投げ合いも4度目で初めて制した。

 「今日は率直に自分をほめてあげたいとは思います。でも、これで終わりではない」

 ワールドシリーズに進めば、第1戦先発が有力視される。さらにしびれる舞台が待つ。

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