「勝てば報われる」元プロ野球選手が目指す“歴史的1勝”

[ 2017年10月14日 10:00 ]

和歌山箕島球友会の穴田
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 元プロ選手が、クラブチームの歴史を塗り替える。社会人野球日本選手権が11月2日に開幕。和歌山箕島球友会の中軸を打つ元阪神育成選手の穴田真規内野手(24)は、本番をイメージしながら調整に励んでいる。

 「2年前の日本選手権、僕はヒット1本だけでチームも初戦で負けてしまった。今年は、まず1勝したいですね。勝てば報われると思うので」

 小学時代に所属していた宝塚リトル(兵庫)では、現ヤクルトの山田とチームメート。箕面東では高校通算31本塁打を放ち、10年育成ドラフト3位で阪神に入団した。だが、プロでは支配下登録を果たせず、3年間で2軍通算73試合、打率・188、1本塁打。3年目の13年オフに戦力外通告を受けた。14年からクラブチームの和歌山箕島球友会へ加入し、今季で4年目を迎えた。

 9月の全日本クラブ選手権では全4試合に「5番・三塁」で先発出場。大和高田クラブとの決勝は9回まで0―0で、1死満塁から始まるタイブレークに突入した。10回表に2点を先行されたが、その裏、先頭の穴田は遊撃へ1点差に迫る適時内野安打。逆転サヨナラ勝ちでの優勝を呼び込み、日本選手権への出場権も獲得した。

 「自分で決めようという気は全くなく、何でもいいから後ろへつなげようと必死に走った」。チームの勝利のために、という思いでもぎ取った内野安打。1メートル80、84キロの体で全力疾走した主砲に、西川忠宏監督も「よく走ったと思います」と目尻を下げた。

 11月2日の日本選手権1回戦では明治安田生命と対戦。穴田は、チームが過去4度阻まれた初戦の壁を破るべく燃えている。「社会人は一発勝負だから面白い。やりがいはメッチャあります」。自身のバットで、今度こそ悲願の1勝へ導く。(記者コラム・原田 真奈子)

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2017年10月14日のニュース