慶大・岩見 リーグタイ4戦連発 プロ9球団視察“飛ばす力別格”

[ 2017年10月8日 06:05 ]

東京六大学野球第5週第1日   慶大5―4明大 ( 2017年10月7日    神宮 )

<慶大・明大>7回2死、慶大・岩見は右越え勝ち越しソロを放つ
Photo By スポニチ

 慶大が明大に先勝した。ドラフト候補の岩見雅紀外野手(4年)が7回にソロ本塁打を放ち、リーグタイ記録で史上4人目の4戦連発を達成した。今秋5号で通算19本はリーグ歴代4位タイ。高橋由伸(慶大、現巨人監督)の最多記録23本に近づいてきた。東大は宮台康平投手(4年)が法大戦で2失点完投し、シーズン2勝目、通算6勝目を挙げた。

 1点差の7回。3番・柳町のソロで追いつくと、続く岩見の心に火がついた。「僕も打ってやる」。明大・斉藤とのドラフト候補対決。「(バットが)届けば入る」と念じて3球目の外角直球を叩くと、打球は右翼席に消えた。チームも延長10回の試合を制し「素直にうれしいし、勝てて良かった」と喜んだ。

 4戦連発。広沢克己(現広澤克実)や2学年先輩・横尾俊建(日本ハム)らのリーグ記録に並んだ。大久保秀昭監督は「我慢しながら力を球にぶつけるイメージができてきた」と評価。最近3本は、球を呼び込んで右方向に運んだものだ。

 今夏初めて大学日本代表入り。「(外国人選手の)150キロの球を見て、上でやるにはこれを打てなければいけないと思った」と世界を実感した。練習から軸がぶれない意識で打ち続けてきた。豊富な経験から打席での余裕も出てきた。左スリークオーターの斉藤が繰り出す独特の軌道の球に3打席凡退したが、焦らなかった。「割り切りがうまくなったかも」と口にした。

 5日にプロ志望届を提出。この日は9球団が視察し、DeNAの欠端光則西日本スカウトグループリーダーは「飛ばす力はずばぬけている」、中日の佐藤充スカウトは「前で飛ばせるようになった。山崎武司さんみたいになってほしい」と高く評価した。年間本塁打記録11発にあと1本。さらに、大先輩・高橋由伸の持つリーグ記録「23」が待つ。「あと4本かあ…」と苦笑いした後「打って勝ちたい。ここから5連勝する」。その豪打で7季ぶりの優勝をつかみ取る。(松井 いつき)

 ▼広澤克実氏(明大3年の83年春に記録。スポニチ本紙評論家)おめでとう。5試合、6試合と続けてほしいけど、相手が私の母校なので複雑ですね…。

 ▼日本ハム・横尾(慶大4年の15年秋に記録)「絶対打てよ」とメッセージを送っていた。「打ちます」と返ってきた。(年間最多本塁打記録の更新へ)あと2本、打ってほしい。

 【岩見 雅紀(いわみ・まさき)】

 ★生まれとサイズ 1994年(平6)7月10日生まれ、滋賀県大津市出身の23歳。1メートル87、107キロ。右投げ右打ち。

 ★球歴 比叡山では通算47本塁打も甲子園出場なし。プロ入りを目指し、関西圏の大学に現役合格しながら、浪人を選択し1浪で慶大入学。2年春からリーグ戦出場。

 ★背番号 元ヤンキースのA・ロドリゲスに憧れ「13」を背負う。

 ★スカウト評 抜群の飛距離と巨漢ぶりで広島・エルドレッドやヤクルト・バレンティンに例える声が多い。

 ≪岩見が今後狙う記録≫

 ★連続試合本塁打 4試合連続は広沢(明大)、田中(法大)、横尾(慶大)に並びリーグタイ。8日の明大戦で新記録を狙う。

 ★シーズン最多本塁打 岩見は今季5本塁打。最多は田中(法大)が04年秋にマークした7本。6本は田淵(法大)ら9人が記録している。

 ★年間最多本塁打 岩見は今春も5本塁打で年間では10本塁打。最多は94年丸山(慶大)の11本(春5本、秋6本)。

 ★通算本塁打 岩見は通算19本塁打で4位タイ。最多の高橋(慶大)の23本にあと4本。慶大は明大戦の他に立大、早大との対戦も残しており、少なくともあと5試合ある。

続きを表示

この記事のフォト

2017年10月8日のニュース