なぜ初球から?楽天・田中 積極走塁の理由

[ 2017年10月5日 11:00 ]

楽天・田中
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 9月30日の楽天―ロッテ戦(Koboパーク宮城)。記者席がざわついたプレーがあった。2―3と楽天が1点を追いかける6回。先頭のアマダーが左前打を放って出塁したところで代走は田中。初球で二盗を試みたがタッチアウトとなった。

 50メートル走5秒9の俊足が出てきた時点で当然、ロッテバッテリーは盗塁を警戒してくる。「なぜ初球から?」「1、2球待っても良かったのではないか?」。同点の走者があっけなくいなくなったことで疑問の声も出た。

 ただ、そこには理由があった。ベンチからのサインは「行けたら行け」。田中は「リードが1点しかないロッテ側からしたら、走者はためたくない。四球を出したくないから、初球からストライクゾーンで勝負してくる。打者のカウントが悪くなる前に走りたかった」と説明した。

 果たして、同点のチャンスを狭めることとなった。プロ野球の世界。結果が悪ければ否定的意見が出るのは必定だ。ただ、理由を聞いてみれば、様々な状況を考えた中での積極走塁だということが分かる。

 「すみません」と頭を下げた田中だが、謝ることなどない。最も怖いのは、その積極性が失われることだから。(記者コラム・黒野 有仁)

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2017年10月5日のニュース