雄星、背番と同じ目標白星到達 本拠CS王手「最高の試合」

[ 2017年10月4日 05:30 ]

パ・リーグ   西武10―3楽天 ( 2017年10月3日    メットライフD )

8回2死満塁のピンチで嶋を右飛に討ち取りガッツポーズの菊池
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 西武の菊池雄星投手(26)は3日、楽天戦に先発し、8回を3失点でリーグトップタイの16勝目を挙げた。クライマックスシリーズ(CS)の本拠地開催を懸けた2位争いで、エースは楽天に今季8戦全勝。初の最多勝を確実にし、奪三振、防御率と合わせて3部門でトップに立った。西武は4日、3位の楽天がロッテに敗れるか引き分ければ、2位が確定する。

 2点リードの8回無死満塁。絶体絶命のピンチでエース菊池が成長した姿を見せた。

 「ここで自滅したら今までの自分と一緒。1回から7回まで(フォームが修正できず)どうしようもできなかった。気持ちだけでいった」。代打・中川を154キロ直球で見逃し三振、代打・足立もスライダーで空振り三振に仕留め、嶋も中飛で雄叫びを上げた。

 中11日の登板で調子は最悪だった。2日前のブルペンでストライクが入らず、試合前の投球練習も修正できない。直球を引っかけてスライダーが抜ける。今季ワーストの5四球。それでも崩れないのが成長の証だ。5回から左ふくらはぎがけいれんしたが、137球の熱投で8回を3失点に抑え、リーグトップタイの16勝目。尊敬する石井一久氏(本紙評論家)から背番号16を引き継ぎ目標にした白星に到達し「最高の試合。8年間フォームで悩んできた。人より考える時間が多かった分、引き出しが増えたと思う」と振り返った。

 昨オフに岸が楽天にFA移籍。投手会では「みんなでキャリアハイの成績を残して(岸の穴を)埋めよう」と誓い合っていた。菊池は「下馬評が低くて悔しかった」と話す一方で「自信も正直なかった。エースと呼ばれてうれしい思いはなかった」。重圧をはね返して先発ローテーションを1年間守り、結果を残した。最多勝、最優秀防御率は確実になり、最多奪三振もリーグトップの217。まだ先がある。4日に楽天が引き分け以下で2位が確定し、CSの本拠地開催が実現する。「必ずここ(メットライフドーム)でやりたかった。CSも頑張りたい」。エースの宿命を背負い、投げる試合は必ず勝つ。 (平尾 類)

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2017年10月4日のニュース