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阪神・秋山拓巳 正確無比のコントロールでCSの柱に

阪神・秋山拓巳
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 【宮入徹の記録の風景】持ち味は抜群の制球力にある。阪神の秋山拓巳投手(26)は今季与えた四球がわずか14。両リーグで規定投球回数に達した投手22人の中では巨人のマイコラスの23与四球を下回り最も少ない。ここまでの投球回数は153回1/3。9イニング換算の与四球率は0・82と低い。1試合平均で1個以下なのだから精密機械並みといっていいだろう。

 2リーグ制後を見てもシーズン与四球率が1・00未満は17人しかいない。さらに0・90未満にラインを下げると9人まで絞られる。うち、今季の秋山のように暴投0だと、50年野口二郎(阪急=0・69)、58年渡辺省三(阪神=0・85)、62年土橋正幸(東映=0・79)、67年高橋善正(東映=0・87)、71年大石弥太郎(広島=0・83)、82年江川卓(巨人=0・82)といるだけ。秋山が仲間入りすれば7人目になる。

 今季秋山が与えた14四球を先発打順別に出すと1番2、2番1、3番5、4番0、5番1、6番2、7番2、8番1、9番0。4番打者延べ71人と対戦して与四球はいまだ0。相手主砲とは真っ向勝負に徹している。また、イニングの先頭打者に四球を与えたのは6月6日オリックス戦の1回に駿太、9月20日巨人戦の4回に亀井と2人いるだけ。四球から自滅するパターンはほとんどない。

 同僚のメッセンジャーは8月10日の巨人戦で故障のため戦列を離れた。翌日以降、阪神の先発投手では秋山が3勝をマーク。能見と並び、この間チームで最も勝ち星が多い。メッセンジャーの復帰は朗報だが、甲子園で10月14日から始まるクライマックスシリーズ(CS)では秋山にかかる比重は当然ながら高くなる。

 ところで長いプロ野球の歴史の中で制球力抜群の投手は誰なのだろうか。通算2000投球回以上の89人について調べてみた。秋山と同様に1試合、9イニング換算の与四球率が最も低いのは東映で活躍した土橋正幸だ。2518回1/3を投げ、与えた四球は339。与四球率1・21と驚異的な数字を残した。以下、2位高橋直樹(巨人=1・48)、3位村田元一(アトムズ=1・49)、4位杉浦忠(南海=1・53)、5位渡辺省三(阪神=1・57)と続く。土橋は58年5月31日の西鉄戦で今もプロ野球記録として残る9者連続奪三振をマーク。一方で61年にはパ・リーグ歴代2位の56イニング連続無与四死球の記録もあり、球威、制球力を兼備した優れた投手であったことが理解できる。

 引退後の土橋は解説者、監督として活躍した。92年は日本ハムで指揮を執ったが、この年に同チーム絡みの面白い記録がある。9月9日の西武戦に先発した柴田保光は秋山幸二、清原和博、デストラーデの豪華クリーンアップトリオを擁する強力打線と対戦。9回を投げ6安打1失点(自責点0)で白星を手にした。この試合で柴田は打者33人に対し与えた四球は0。無四死球完投勝利はさはど珍しくないが、この日は初球、2球と連続してボールになったケースは1度もなし。指揮官も真っ青のピンポイントコントロールを披露した。(敬称略、専門委員)

 ◆宮入 徹(みやいり・とおる)1958年、東京都生まれ。同志社大卒。スポニチ入社以来、プロ野球記録担当一筋。94年から15年まで記録課長。本社制定の最優秀バッテリー賞の選考委員会には、1回目の91年から26回連続で資料説明役として出席。

[ 2017年10月3日 09:30 ]

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