【石井一久クロスファイア】監督選びは実績に関係なく候補者を面接してみては

[ 2017年9月27日 10:30 ]

カブスのジョー・マドン監督(AP)
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 この時期になると、監督人事の話題が多くなり、候補者の名前がいろいろと挙がる。後任監督を選ぶ基準というのは、球団によって多少違うものの、球団OBが基本軸で、特に球団一筋の生え抜きで、現役時代の実績が輝かしい人物なら、よりクローズアップされる。日本の監督選びの慣習について悪く言うつもりはないが、果たしてそれがベストなのだろうか。

 もちろん、メリットはある。球団OBは、チームの伝統や雰囲気、選手の特徴や性格もある程度、分かっているので、スムーズに移行しやすい。チームを早く把握できれば、それだけ早く選手と同じ方向を向いて戦うことができる。でも、よりベストの監督を選ぶのであれば、OBであるとか、現役時代の実績に関係なく、複数の候補者をリストアップし、面接を行うのも一つのやり方だと、僕は思う。

 実際、メジャーの監督選びはその方式だ。5、6人と面接を行い、候補者はどういうチームづくりをしたいのか、監督を引き受けることへの熱意などをプレゼンする。球団はその意見を聞き、誰のプランが今のチームに合っているかを考え、候補者を絞っていく。そこに現役時代の実績は関係ない。いろんな経歴の持ち主と面接することで、隠れた人材を発掘できるかもしれない。名将と言われているカブスのジョー・マドン監督にメジャー経験がないのは有名だ。

 日本は候補者の中からまず一人に絞るが、その作業はかなり大変だと思う。もしその人に断られたら、2番手候補に行くやり方で、その経過を知っているのは、球団内でも一部に限られる。メジャーのように全てオープンにするのは難しいと思うが、一人に絞る段階の少し手前で数人と面接し、意見を聞くのも一つのやり方ではないか。

 ちなみに、仮に僕が面接に呼ばれたら、人見知りだから、監督をやる熱意は伝わらないだろう…。 (本紙評論家)

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2017年9月27日のニュース