日本ハム宮西 パ初10年連続50試合登板「休んだ記憶ない」

[ 2017年9月27日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム6ー2オリックス ( 2017年9月26日    京セラD )

<オ・日>10年連続50試合登板を果たした宮西
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 鉄腕がまた金字塔を打ち立てた。日本ハム・宮西尚生投手(32)が26日、オリックス戦で1点リードの8回から登板して1イニング無失点。中日・岩瀬仁紀投手(42)以来、史上2人目の10年連続50試合以上登板を達成した。チームを勝利に導き、通算256ホールドをマーク。一昨年秋の左肘手術を乗り越え、進化が止まらない鉄腕はまだまだマウンドに上がり続ける。

 敵地・京セラドームでのヒーローインタビュー。宮西にとって地元・関西のファンの声援は心地よかった。「毎日、僕の調子を整えてくれたトレーナーに感謝したい。一試合一試合ガムシャラにやってきたものだと思う」。中日・岩瀬に次ぐ、史上2人目の10年連続50試合以上登板の快挙を達成した。

 1点リードの8回。先頭のT―岡田に左前打を許し、続く大城に送りバントを決められたが、強気だった。まずは吉田正を138キロ内角直球で三ゴロ。続くロメロに四球を与えたが、小谷野を138内角直球で遊直に仕留め「本当はロメロで決めたかったけど、いろいろ試したいこともあった」。1回無失点の好救援で勝利に導き、同じく史上2位の通算256ホールド。心は熱く、頭は冷静に。宮西はいつも通り、左腕を振った。

 どんな危機でも乗り越えてきた。慢性的な左肘痛を抱え、15年のシーズン終了後に左肘を手術。翌16年は左肘の位置を低く調整することで、痛みを軽減しながらシーズンを乗り切った。今年は3月に侍ジャパンの一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場した。「本当はシーズン前にフォームを元に戻したかった」と振り返り、球威を取り戻すため、左肘の位置を高く修正したのは交流戦中のこと。変化を恐れないずぶとさも宮西の強さだ。

 事実、16年は130キロ台中盤の直球が目立ったが、今季は球威を取り戻し、この日も最速140キロ。スリークオーター気味の変則フォームから繰り出す直球は、球速以上に打者に速さと切れを感じさせる。「まさか自分が(10年連続50試合以上登板を)できるとは思わなかった。凄くうれしく思う」。それが本音だった。

 ドラフト同期の中田は「凄いとしか言いようがない」と感嘆。栗山監督も京セラドームから本拠地・札幌ドームでの記録達成を画策していたことを明かし「10年やっていたら途中でケガをすることもある。凄いね本当に」と褒め称えた。

 宮西は「岩瀬さんは凄い人なので比べたら駄目」と笑い、「ガムシャラな気持ちを持って一年一年やりたい」と言った。10年目の32歳。まだまだ老け込む年齢ではない。座右の銘は「勇往邁進」。恐れることなく、ひたすら前に突き進む。 (柳原 直之)

 ≪最多は15年連続≫宮西(日)が入団1年目の08年から10年連続の50試合登板を達成。10年以上連続の50試合登板は99〜13年岩瀬(中)の15年に次ぎ史上2人目となり、パ・リーグでは初の快挙だ。

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