阪神・岩貞、あるぞCS滑り込み先発 あの強制送還から1カ月半…

[ 2017年9月25日 09:06 ]

セ・リーグ   阪神0―2DeNA ( 2017年9月24日    甲子園 )

<神・D>6回2失点の阪神先発・岩貞
Photo By スポニチ

 阪神は24日のDeNA戦(甲子園)に0―2で惜敗し、今季12度目の零敗となった。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで相まみえる可能性のある相手に重苦しい敗戦を喫した中で、約1カ月半ぶりの先発となった岩貞祐太投手(26)が、6回5安打2失点の力投を披露したことが光明。今季、不振に苦しんだ男が、復活の兆しを見せた。

 後がない男が、崖っぷちまで追い込まれていた。岩貞にとって約1カ月半ぶりの1軍マウンドは、厳しい試練から始まった。

 「筒香、宮崎さんにしても、捕手と配球を組み立てていったけど、もう一個、ボールが強かったり、体の近くに投げられていたら、詰まったり、凡打になっていたと思う」

 初回、1死から柴田に四球を献上し、筒香には内角直球を右翼線へ運ばれる二塁打で1死二、三塁。ロペスの遊ゴロの間に先制点を奪われると、続く宮崎にも三塁線を破られる適時二塁打で簡単に2点目を失った。

 前回8月8日の巨人戦では4回6失点でKO。不振を極める今季を象徴するような精彩を欠く投球で、試合中に強制帰阪を命じられていた。失意の中、2軍では直球のスピード、球威を取り戻すことに重点を置き、フォームも見直し、復調の兆しを見せてきた。

 満を持して再昇格を果たし、鮮やかに復活を遂げるはずだったが、初回の2失点で雲行きは怪しくなった。だが、昨季10勝を挙げた左腕は、ここから意地と執念を見せた。

 「(2回以降は)何とか粘って投げることができて、試合を作れた。しっかり腕を振っていって、6回のピンチも粘ることができたと思う」

 2回を3者凡退に片付けると、リズムをつかみ、テンポ良くアウトを重ねた。1死一、三塁のピンチを背負った6回も後続を断ち、無失点。140キロ台中盤の威力ある直球に、武器であるスライダーも尻上がりにキレ味を増し、6回5安打2失点と結果を残した。

 本来の姿を取り戻した投球に金本監督も「ボールはよかった。筒香の当たりも宮崎の当たりも、いいところに投げての(結果)。そう(CSに向けた明るい材料)ですね」と及第点を与えた。

 CSの先発は12勝の秋山が確定で、右足腓骨(ひこつ)骨折からの復活を期すメッセンジャー、故障なくローテを守った能見、小野、岩田らと枠を争う。自己ワーストの10敗目を喫したものの、ファーストステージでの再戦もある3位・DeNA相手に披露したこの夜の力投で、岩貞もアピールに成功した。

 「まだ反省点は多々あるので、自分の中で理解してやっていきたい」。屈辱を晴らし、チームに貢献する機会は、まだ残されている。(遠藤 礼)

続きを表示

2017年9月25日のニュース