日本ハム高梨、オール直球勝負 井口から感謝の直筆メッセージ入りバット贈られ感激

[ 2017年9月25日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―4ロッテ ( 2017年9月24日    ZOZOマリン )

<ロ・日>日本ハムの先発・高梨
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 気迫で投げ込んだ!日本ハムは24日、ロッテ戦で延長12回サヨナラ負け。先発した高梨裕稔投手(26)は7回1失点と好投し、引退試合だった井口資仁内野手(42)との3度の対戦もオール直球勝負を挑んだ。シーズンを通して本調子ではない右腕が、球界を代表してきた好打者との最後の対戦で貴重な経験を積んだ。

 決めていた。決して変化球は投げない。6回2死。高梨が投じた146キロ直球は高めに抜けたが、井口もフルスイングで応えてくれた。空振り三振。3打席、全13球の直球勝負。「今後の野球人生にプラスになると思います」と胸を張った。

 敵地で行われた井口の引退試合。異様な熱気の中、右腕を思い切り振った。2回は2ボールから左前打を許したが、4回は外角に制球して二ゴロ。最後の対戦も空振り三振に斬った。試合後、井口から「素晴らしい投球をありがとう。活躍を祈ってます」と記された直筆メッセージ入りのバットもプレゼントされた右腕は「こういう試合で投げることができて幸せです」と笑った。

 昨季は10勝で新人王に輝き、リーグ優勝と日本一にも貢献。ただ有原とともに先発ローテーションの軸として期待された今季は開幕当初から不振に苦しんだ。7月上旬には2軍落ち。それでも直球の球威が戻って1軍に復帰した8月以降は5試合で無傷の3勝。この日も直球を軸に打者を押し込み、7回5安打1失点に抑えた。

 9回に守護神・増井も井口に直球勝負を挑んで同点弾を浴び、延長12回の末にサヨナラ負けを喫した。それでも栗山監督は「素晴らしい。長年、技術を積み上げてきたからこそ」と井口の打撃を称賛。強気に攻めた高梨についても「よく粘った」と目を細めた。

 「悪い時にどう粘れるか。前はできなかったけど、今はできている」と高梨。次回登板が今季最後の登板となる可能性が高い。悔しさばかりの2017年を、笑顔で締める。 (山田 忠範)

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2017年9月25日のニュース