金本監督“下克上V”へ大号令 福留へ「頼むぞ、キャプテン」

[ 2017年9月20日 05:30 ]

全体ミーティングでナインを鼓舞する金本監督
Photo By スポニチ

 阪神・金本知憲監督(49)は12年連続V逸決定から一夜明けた19日、日本一奪取を新たな狙いに定めた。

 甲子園球場で行われた全体練習の開始予定時刻10分前、右翼芝生上に1軍全選手、スタッフが集まり円陣をつくると、金本監督が口を開いた。「優勝はなくなったけど、2位を確保しよう。気持ちを切り替えてやっていこう」。広島の優勝が決まり、ここがタイミングと判断して言葉でチームを奮い立たせた。

 「(優勝は)100%、もう無いから。決まったんだから、次は2位に向けてね。2位確保。確保してCSに向けて、モチベーションを上げていこうということでね」

 V逸こそ決まったが今季の戦いは、まだ終わっていない。本拠地・甲子園でクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ(S)を戦うための2位確保が先決。その先にファイナルSでの広島へのリベンジを見据える。その先にも道はつながる。日本一――。リーグ制覇はならなかったが、猛虎に下を向いている暇はない。新たな大目標に照準を切り替え、走り出す時だ。

 「そこ(日本一)のチャンスがあるわけだから。今までロッテが3位から日本一になったのかな。そういうのもあるし、中日だって2位から日本一になっているし。もちろん、そこを目指して、気持ちを切り替えてやっていかないと。そういうアレ(話)ですよ」

 07年にはリーグ2位の中日がCSを勝ち抜き日本シリーズで日本ハムを破り頂点に立った。10年にはリーグ3位のロッテが史上最大の下克上で日本一を勝ち取った。2位だった14年の阪神も、日本シリーズまで勝ち上がった実績を持つ。「まあ、理想はリーグ優勝で日本一のセット。でもCSから勝ち抜いて日本一になっても十分、価値あるものだしね」。壮大な下克上を実現するためにも、今一度、チームに気合を入れる必要があった。

 訓示の最後には「頼むぞ、キャプテン」と福留にハッパをかけた。福留も力強く呼応した。「自分たちの野球をやって早く2位を固める。それしかない」。07年、落合竜の下克上には故障のため参加できなかった男。あれから10年。金本阪神で下克上のキーマンとなる。(惟任 貴信)

 ▽セ・リーグは07年、パ・リーグは04年にそれぞれクライマックスシリーズ(CS)が始まって以降、勝率2位以下でCSを突破したのは、セが10シーズンで2度、パが13シーズンで3度の計5チーム。確率は21・7%と低く、2位以下同士による日本シリーズもない。ただ、5チームのうち4チームが日本一に輝き“下克上”を成功させている。

続きを表示

2017年9月20日のニュース