雄星完封「気持ちいい」、新フォームでリーグ投手5冠躍り出た

[ 2017年9月8日 06:30 ]

パ・リーグ   西武3―0ロッテ ( 2017年9月7日    メットライフドーム )

<西・ロ>マウンドで躍動する菊池。リーグトップに並ぶ今季14勝目を挙げた
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 底が知れない。散発4安打で今季4度目の完封ショー。121球を投げ抜いた西武・菊池は「気持ちいいですね。マウンドを降りたくないので」と心地よさそうに汗を拭った。

 試合途中でフォームを変えた投球に凄みが凝縮されていた。7回、ペーニャへの2球目。「あそこは(球速を)出そうと思って出した」と自身が8月3日楽天戦で計測した左腕最速の158キロを再び叩き出し、空振りさせた。土肥投手コーチとイニング間に話し合い、右足を上げた際に右肩と平行だった左肩を下げる形に変更。「左肩を落として(反動で)加速も使える。軸足に体重が乗っかって良い感じ」と話した。

 8月中旬に2試合連続で2段モーションを取られてから、新フォームを再構築。4月のフォームがベースだが、戻すわけではない。「映像は見ません。感覚で直す方を信じている」。試合途中にフォームを変えるのも、固定観念にとらわれない証だ。この日は直球60球のうち、9割以上の55球が150キロ超え。スライダーも140キロ台後半を計測した。

 将来的にメジャー挑戦の可能性がある左腕に、カブスのフェルナンド・セギノール国際スカウトら大リーグ数球団のスカウトが視察。その中で今季9度目の2桁となる10三振を奪った。西武の左腕では93年の工藤公康(現ソフトバンク監督)以来24年ぶりの14勝目。防御率2・17、190奪三振、6完投、4完封と合わせて5冠だ。

 「この時期になるとあと何試合投げられるのか寂しい気持ちになる。1試合でも多く投げられるように頑張ります」。そう話すエースはやはり頼もしい。(平尾 類)

 ▼辻監督 今日は菊池雄星の投球。それに尽きる。力みもなく球に切れがあって、(最後まで)投げきる気持ちが入っていた。

 ≪投手3冠なら球団左腕で初≫菊池(西)が4安打完封でハーラートップタイの14勝目。西武の投手でシーズン14勝以上は10年涌井が14勝して以来だが、左腕では93年工藤の15勝以来24年ぶり。64年井上の球団左腕シーズン最多の17勝も視野に入ってきた。この日は10三振を奪い、表彰タイトルの防御率、勝利、奪三振3部門でリーグ1位に浮上。パでこの3部門が1位は06年斉藤和(ソ)が最後。チームでは稲尾が58、61年と2度記録しているだけで、菊池が維持すれば56年ぶり2人目の快挙。左腕では球団史上初めてになるがどうか。

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