清宮 5戦目ようやく世界1号!高校通算110号「響きがいい」

[ 2017年9月6日 05:55 ]

第28回WBSC U―18W杯1次ラウンドB組   日本12―0南アフリカ ( 2017年9月5日    カナダ ポート・アーサー )

<日本・南アフリカ>4回2死、ソロ本塁打を放つ清宮
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 出た!世界1号!侍ジャパン高校代表は5日(日本時間同日深夜)、1次ラウンド最終戦で南アフリカを12―0の7回コールドで下し、4勝1敗とした。清宮幸太郎内野手(3年)が4回に右越えソロを放ち、自身の高校通算最多本塁打を110本に更新。チームは4日(同5日)にオランダを下し、スーパーラウンド進出を決めていたが、主将の待望の一発で、悲願の世界一へ勢いをつけた。

 現地の男性ファンが叫んだ。「カモン!ベーブ!」。するとその声に乗せられるように、清宮が振り抜いた打球が右翼へぐんぐんと伸びて、フェンスを越えた。7―0とリードした4回2死無走者で飛び出した国際大会1号。高校通算110号に「(110は)響きがいい。(ベンチに)帰ってきてからも、みんなから“やっとだな”“遅いよ”とか言われたけど、喜んでくれてよかった」とはにかんだ。

 5年前の12年、北砂リトルの一員として、米国で行われたリトルリーグ世界選手権に出場。3本塁打してチームを世界一に導き、本場のファンから「和製ベーブ・ルース」と呼ばれた。今大会も大きな注目を浴びる中、カナダの地で、やっと豪快な当たりが出た。

 第3戦のキューバ戦では、前を打つ3番・安田が2度敬遠され、自身との勝負を選択される屈辱。決勝犠飛こそ放ったが「訳が分からなくなっている」と珍しく弱音を吐いた。4日のオランダ戦では14打席ぶり安打となる左中間二塁打を放ったが、4戦で13打数2安打、打率・154と低迷。同戦前には、ホテルの駐車場で一人黙々と約100メートルの距離をダッシュする清宮の姿があった。「(筋肉の)張りがないと思った」と刺激を入れた。

 南アフリカ戦は今大会初のDH。この試合からは母・幸世さんが現地に到着し強力な援軍も味方した。「やっと分かった。これが自分らしさ。柔らかさというか…ゆったり自分の形で打つことが大事だと。試行錯誤したが今のところ良い感じできている」。確実な手応えが残った。

 「中軸が機能すれば、このチームは力が出てくる。中軸3人、特に安田と自分でしっかり引っ張りたい」と話した通り、1次ラウンド最終戦で12得点と打線もつながった。6日(日本時間7日)からは負けられないスーパーラウンドの戦いだ。

 「漠然としたものが明確なものに変わった。目標はスーパーラウンドをしっかり勝って、決勝で勝って、優勝すること」

 復調した4番のバットで初の世界一へ駆け抜ける。(東尾 洋樹)

 ≪米国&キューバも突破≫B組は4試合を終えて米国、日本、キューバがスーパーR進出を決めた。スーパーRは1次Rの成績が反映されるため米国に敗れキューバに勝っている日本は1勝1敗からスタートし、A組から勝ち上がってきた3カ国と対戦する。なお、A組は韓国がスーパーR進出を決めている。

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