金本監督、藤浪に先陣託した!大一番で“奇跡の扉”開けろ

[ 2017年9月5日 05:54 ]

広島との対戦を前にするも、リラックスした表情の藤浪
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 阪神・金本知憲監督(49)が藤浪晋太郎投手(23)に大勝負を託した。5日から6・5差で追う広島と敵地で最後の3連戦。3戦全勝以外なら4度目の優勝マジック点灯を許す瀬戸際で「そのために(ローテを)ずらした。意味を分かってくれていると思う」と必勝の期待を寄せた。約4カ月間勝利のない藤浪も「しっかり頑張らないといけない」と決意を込めた。

 決戦の時は来た。

 金本監督は必勝を求められる先陣のマウンドを藤浪に預けた。「そのために(ローテを)ずらしてますから。そういう意味を分かってくれていると思う」。広島へ向かう新幹線に乗り込みながら奮起を強く願った。

 残り22試合で6・5差をひっくり返さなければならない。直接対決は残り5試合。3連戦は今回が最後だ。一つでも落とせば、いや、4度目のマジック点灯を防ぐには引き分けさえ許されない。初戦の勝利がなければ、奇跡の扉も開かない。香田投手コーチも「わがチームで力ある投手を広島にぶつけたいということ。彼の自信も取り戻して欲しい」とうなずいた。

 前回8月27日の巨人戦では7回に死球から崩れるまでは完璧に近い投球を演じた。順番通りなら中6日での登板を見込まれた3日の中日戦ではなく、中8日が空けた。新加入のメンドーサを入団会見から3日後に先発デビューさせた異例の起用も藤浪に広島3連戦の初戦を任せるためだったと言っていい。

 「強い相手なので、しっかり頑張らないといけないですけど、それ以上に自分のボールを投げられるか。まずそこに集中したい」

 甲子園球場でキャッチボールなどで最後の調整に努めた後、普段通りの静かな口調で意気込んだ。広島戦は約2カ月ぶりの復帰登板だった8月16日に投手の大瀬良に死球を与えるなど7四死球で4回2/33失点の黒星。いまは苦い記憶を振り返らず、前回登板で得た手応えだけを右手に残して「あんな感じで投げられるに越したことはない」と描いた。

 「深いことを考えるより、しっかり投げたら勝ちにつながると思う。6・5差がどうこうより、しっかり勝ちにつながる投球ができれば良いかなと」

 今後の日程で低迷する中日、ヤクルト戦とは3試合だけ。広島に加え、DeNA、巨人との対戦が19試合を占める。メッセンジャー不在の投手陣で藤浪への期待は大きく、金本監督は「そらそうでしょう。戻ってくれないと」とけん引役にも指名した。残り1カ月。藤浪が躍動し続けた先に「奇跡」のゴールが待っている。(遠藤 礼)

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2017年9月5日のニュース