視察のヤ軍GM 投手・大谷に「非常に才能にあふれている」

[ 2017年9月1日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―4ソフトバンク ( 2017年8月31日    札幌ドーム )

<日・ソ>視察に訪れたヤンキースのキャッシュマンGM(中央)
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 日本ハムの大谷翔平投手(23)は31日、ソフトバンク戦で今季2度目の先発登板。3回1/3を3安打4失点で試合も3―4で敗れ、大谷は2敗目を喫した。それでも、メジャーの14球団、22人のスカウトが見守る中、最高球速160キロを4球計測。ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(50)は才能を高く評価した。

 大谷の投球を脳裏に焼き付け、札幌ドームのエントランスホールで、キャッシュマンGMは上機嫌だった。「日本の選手は非常に才能あふれた選手が多い。何人かを見に来た」とし、大谷について「非常に才能にあふれている」と称えた。

 7月12日のオリックス戦以来、50日ぶりとなる今季2度目のマウンド。バックネット裏にはメジャー14球団、22人のスカウトが陣取り、10人以上がスピードガンを向けた。同GMも一挙手一投足を見守った。結果は3回1/3を3安打4失点。1点リードをもらった直後の4回1死二塁、大谷は柳田への160キロを捉えられ同点の中前適時打を浴び「いまいちグッとくるものがなかった。そこで抑えるか抑えないかが勝てるか勝てないかの違い」と話した。福田にも3ランを浴び、球数制限がある中で降板した。

 それでも、最速160キロを4球計測し、インパクトを与えた。早ければ今オフにポスティングシステムを利用してメジャー挑戦する可能性がある。シーズン中に大リーグの編成トップが米国外に視察に訪れること自体が異例だが、ヤ軍は同GMのほか、松井秀喜獲得にも尽力したジーン・アフターマン副社長兼GM補佐も含め、3人態勢でチェックした。大谷が米移籍を決断すれば、一番の目玉となるのは確実だ。

 チームは下位に低迷するが、栗山監督は「今年中にやらないといけないことを含め、最低限(復帰時期は)このあたりだった」と話す。先発と野手の二刀流のリズムを体に染み込ませ、来季へつなげなければならない。

 「打者と向き合った時に駆け引きがしたい。今日はただ投げている感じだった」と大谷。残り1カ月は二刀流として完全復活を目指す戦いになる。(柳原 直之)

 ≪過去のヤ軍幹部の視察≫

 ☆02年=松井秀喜(巨人) 8月14日の巨人―ヤクルト戦(東京ドーム)をジーン・アフターマンGM補佐が観戦し、松井は右中間看板直撃の155メートル弾。同年11月17日の日米野球最終戦(東京ドーム)はブライアン・キャッシュマンGMが直接視察。同GMは「日本でも米国でも強烈な存在」と評価。FAの松井はヤ軍入団。

 ☆10年=ダルビッシュ有(日本ハム) 8月20日の日本ハム―西武戦(札幌ドーム)でビリー・エプラー・プロスカウト部長、デーモン・オッペンハイマー球団副社長が視察。11年オフにポスティングシステムを利用しレンジャーズ入団。ヤ軍も入札した。

 ☆13年=田中将大(楽天) 8月9日にエプラーGM補佐が楽天―ソフトバンク戦(Kスタ宮城)の田中を視察。田中は日本新記録となる開幕16連勝。このオフにポスティングシステムでヤ軍入団。

 ≪大谷のこれまで≫

 ☆負傷 4月8日のオリックス戦の走塁中に左太腿裏を肉離れ。実戦復帰まで約6週間の診断。

 ☆打者で実戦復帰 6月27日のソフトバンク戦で代打で復帰し、7月4日の西武戦では5番・DHでスタメン復帰。

 ☆2軍で復帰登板 7月1日のイースタン・リーグの西武戦で今季実戦初登板。1回1安打1失点で最速157キロ。

 ☆1軍登板 7月12日オリックス戦で今季初先発し、1回1/3で2安打4失点。最速158キロも制球苦しむ。

 ☆捕手を座らせてブルペン入り 8月16日に変化球を交え32球。

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