マー 野茂&ダル超え!デビューから4年連続10勝 日本投手初

[ 2017年8月29日 05:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース10―1マリナーズ ( 2017年8月27日    ニューヨーク )

<ヤンキース・マリナーズ>愛称「MASA」が刻まれたユニホームで7回1失点で10勝目を挙げたヤンキース・田中
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 ヤンキースの田中将大投手(28)が27日(日本時間28日)、マリナーズ戦で7回を6安打1失点、10奪三振で10勝目(10敗)を挙げた。メジャー通算100試合目となった節目の登板で、日本投手では野茂英雄、ダルビッシュを抜き、史上初のデビューから4年連続の2桁勝利を挙げた。3度の故障者リスト(DL)入りや今季の不振を乗り越え、大きな足跡を刻んだ。

 集中力を極限まで研ぎ澄ました。初回に1点失い、なお1死二、三塁で5番シーガーを迎えた。田中は2球目に96マイル(約154キロ)直球で空振りを奪い追い込むと、1ボールを挟んで再び96マイル。外角低めに決め、空振り三振を奪った。この2球がこの日最速だった。

 「あそこを1失点で切り抜けられたということは、何より自分にとっては大きかった。理想のシナリオとしては、三振が一番かなとは思っていました」

 右肩炎症によるDL入りから復帰2戦目。3回から4イニング連続で先頭打者を出塁させたものの、要所でスライダー、スプリットも決まった。毎回の10三振を奪い「しっかりとプランに沿って、打者一人一人に投げていった結果」と振り返った。

 今季は5〜6月の7試合で0勝6敗、防御率8・91と過去にない不振を克服。試行錯誤を経て「自分のやるべきことをやれば結果が付いてくる」との思いを強くした。投球のアプローチの変化にも表れている。これまでは打者の反応を見ながら投げる投球が持ち味だったが「その時期は過ぎた」。現在は「より具体的に投球プランを持って臨む」といい、あくまで相手より自分が主体。初回の96マイルも「力を入れるというよりは、自分の中のポイントを押さえて投げた」結果として、球速、コース、高さも完璧な球につながった。

 デーゲームのジンクスも払しょく。過去7試合で0勝6敗、防御率11・81という相性の悪さを米メディアに批判されることも多かったが、過去3年間ではデーゲームの方が成績が良く「別に全然気にすることはない」と意に介さず、シーズンの正念場で証明した。

 通算100試合登板にも特別な感慨はなく「時間はかかった。それだけDLに入っていること」と自嘲気味に話す。節目で日本投手初の1年目から4年連続2桁勝利に達した白星にも「1勝は1勝。シーズンはまだ続いていますし、コンスタントに力強い投球をしていくことが大事」と次の1勝に目を向けた。(ニューヨーク・大林 幹雄)

 ≪メジャー3年目から5年続けた黒田が最長≫田中のデビューから4年連続2桁勝利は野茂、ダルビッシュを上回り、日本投手の単独最長記録。連続シーズン2桁勝利はメジャー3年目の10年から5年続けた黒田が最長。ヤ軍でメジャー1年目から最長の連続2桁勝利はアンディ・ペティットの9年で、田中はこれに次ぐ。また、田中のメジャー100試合登板時点で奪った600三振は球団史上最多。ナイターの通算防御率3.20に対し、デーは4.01だが、過去3年ではナイター3.19に対し、デーは3.02だった。

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