広陵・中村“侍デビュー”でマルチ 清宮&安田とBIG3共演

[ 2017年8月27日 05:30 ]

練習試合   高校日本代表4―6日大 ( 2017年8月26日    日大グラウンド )

6回1死、中村は左翼線二塁打を打つ
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 「第28回WBSC U―18ワールドカップ」(9月1日開幕・カナダ)に出場する侍ジャパン高校日本代表は26日、千葉県内で日大と練習試合を行った。夏の甲子園で6本塁打の新記録を樹立した広陵・中村奨成捕手(3年)は「6番・DH」で出場。前日にチームに合流したばかりだが、2安打で「侍デビュー」を飾った。通算109号を放った早実・清宮、同65号の安田と最強打線を組む。

 まさに火を噴くような打球だった。1―2の2回無死三塁。「侍ジャパン」の初打席で、中村は積極的な打撃を見せた。最速149キロを誇る日大・山本龍の初球だ。低めの143キロ直球を捉えると、地をはうように一瞬で二遊間を抜けた。

 「楽しみながら打てた。金属とは違う感覚だったが慣れれば打てる」。あいさつ代わりの適時打に笑みもこぼれる。6回にも左翼線二塁打。甲子園で清原(PL学園)が持つ大会最多本塁打記録を6本に更新した男は、金属から木製にバットが替わっても変わらない。通算109号を放った清宮も「ミスショットが少ない。甘い球を確実に捉える」と驚くほどだ。

 準優勝に終わった花咲徳栄との決勝を終え、地元・広島に戻ったのは24日午後だった。荷物を入れ替えると、25日朝には広島を出発。自分に合うバットを試す時間もないまま、前日の午後4時には代表宿舎に入る超ハードスケジュールだった。

 首脳陣は合流間もない中村の疲労を心配したが、「大丈夫」と出場志願。DHとなったが「当然出るつもりだった。凄い打者がいる中で6番を打てるのは光栄」と意気に感じた。試合後のタイブレーク練習ではマスクもかぶり、左腕・川端をリード。小枝守監督は「木の対応がどうかなと気にしていたが、それもなかった」と世代最強打線に手応えをつかんだ。

 清宮と中村に挟まれた5番で2戦3発の安田も「清宮、中村と3人が軸になる。周りがチャンスメークしてくれれば勝てると思う」と自信を見せる。中村も力を込めた。「一緒に引っ張っていきたい」。役者はそろった。いよいよ世界一への本格的挑戦が始まった。(松井 いつき)

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2017年8月27日のニュース