自力V復活!阪神・中谷 プロ初3戦連発 奇跡見えてきたで

[ 2017年8月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―3ヤクルト ( 2017年8月24日    神宮 )

<ヤ・神>3回、3戦連発となる16号3ランを放つ中谷
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 阪神・中谷将大外野手(24)が24日のヤクルト戦(神宮)で初の3戦連発を記録した。2―1の3回に左越え16号3ランで突き放し、金本知憲監督(49)の就任後最多の貯金13に貢献。首位・広島の優勝マジックを消し、自力優勝の可能性を復活させた。1日時点の最大11差を約3週間で6・5差へ猛追。「奇跡」が少しずつ見えてきた。

 目いっぱい歯を食いしばり、中谷がまたアーチをかけた。1点リードの3回2死一、三塁。1ボールから2球目のスライダーを一振りだった。

 「甘いボールを一発で仕留められました。真っすぐのタイミングでいって、うまく対応できたと思う。あの打席は良い感覚でした」

 泳がされても振り抜き、左翼席中段まで打ち込んだ。真芯でなくても左翼・バレンティンが一歩も追わないほどの弾道だった。3戦連発はプロ7年目で初体験。並んでいた福留を引き離し、チーム単独トップの16号だ。猛虎待望の和製大砲候補。いや、もう「候補」の文字は消していい。

 同じ流れ、同じ動きで試合に備える。ティー打撃前にはバットを両手で持って肩でかつぎ、反復横跳びのような動きで下半身を動かす。ティーでは通常とは逆、背中側から投げてもらって打つ。昨季から金本監督に指摘されてきた「トップが入り過ぎる」という悪癖の修正だ。好不調に左右されず黙々と継続する強さが結果に出始めている。

 心身とも野球漬けだ。趣味は?と聞かれても「ない!」と即答する。休日の使い方も「とにかく休みたい。買い物に行っても、30分経てば、もう疲れてる…」と苦笑い。本心だろう。開幕からの1軍フル参戦は今季が初めて。想像以上の疲労を抱えながら戦わなければならない。

 15年オフに寮を出て1人暮らしは2年目。本拠地のナイターでは午前10時に起き、自分でご飯を炊くのが習慣になった。「細かくはないけど、それぐらいはやるよ」。自己管理に時間を割き、体調を整える。数年前の自分と比べて体作りやメンテナンスへの意識を「全然違う」と言い切った。

 連日の一発攻勢で押し切り、監督就任後最多の貯金13。4度目の挑戦で“壁”を打ち破り、金本監督も「月間で(貯金)3を目標にしていて最低、それは守れるようにやっていきます」と納得顔だ。

 4番・鈴木が離脱した上、3夜連続でサヨナラ負けした広島との勢いの差は明白。元気なベテランに加え、中谷ら若虎がさらに気を吐けば、奇跡が奇跡じゃなくなるかもしれない。(巻木 周平)

 ≪また阪神“マジック2度消し”≫阪神が勝ち、首位広島が敗れたため、阪神に自力優勝の可能性が復活した。阪神が広島の優勝マジックを消すのは8月9日に続いて今季2度目。セ・リーグでマジックが2回消えるのは13年8月18日と21日の巨人以来で、当時の2位も阪神だった。

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