三本松・大久保 意地で唯一の得点刻んだリードオフマン「来年戻ってきます」

[ 2017年8月21日 10:20 ]

第99回全国高校野球選手権第12日・準々決勝   三本松1―9東海大菅生 ( 2017年8月20日    甲子園 )

<東海大菅生・三本松>8回無死二塁、三本松・大久保は左前適時打を放つ
Photo By スポニチ

 ◆100回大会の主役たち

 このままでは終われない。試合は一方的になっても、諦めない。1番に入る三本松(香川)・大久保は、東海大菅生のエース松本の速球に絞った。

 「ここまで詰まっているストレートを狙っていく」

 8回無死二塁。3球目、内角低めにきたボールに迷いはなかった。打球は三遊間を抜けスコアボードに唯一の「1」が入った。

 試合後は涙が伝った。「悔しい。初回に出塁できず、僕の仕事ができませんでした」。初戦、3回戦と初回に先頭打者として安打を放ち、流れを引き寄せた。この日は二ゴロに終わったことを最後まで悔やんだ。

 ベスト8の中、唯一の公立校。文武両道で大久保の成績はクラスでトップだという。「ボーッとしてる子だけど爪を隠してます」と小林明弘部長は明かす。

 甲子園3試合で記録した安打は6本。リードオフマンの役目を十分果たした。頬を伝った涙が乾いた頃、「僕がチームを引っ張り来年も戻ってきます」と大久保は敗戦から明日に目を向けた。 (落合 紳哉)

 ◆大久保 祥吾(おおくぼ・しょうご)2000年(平12)4月10日、香川県高松市生まれの17歳。小学2年から屋島源平ウイングス(軟式)で野球を始め、屋島中では軟式野球部に所属し外野、内野をこなした。三本松では1年秋からレギュラーを獲得。50メートルは6秒0。家族は両親と兄2人。1メートル76、68キロ、右投げ右打ち。

続きを表示

2017年8月21日のニュース