どやっ!阪神・糸井1軍復帰へ“アピール弾”負傷後初実戦で弾丸ソロ

[ 2017年8月16日 09:36 ]

3回2死、右方向へ本塁打を放つ糸井
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 いつでも、いけまっせ!「右脇腹の筋挫傷」で戦線離脱していた阪神・糸井嘉男外野手(36)が15日、ウエスタン・リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)に「2番・右翼」で先発出場。負傷退場した7月17日広島戦以来の実戦となったが、3回に右中間へ弾丸ライナーのソロ本塁打を放った。この日は無言だったが、かねてから早期の1軍復帰を熱望しており、まさに「アピール弾」。最短と目される18日中日戦での1軍合流へ、視界は良好だ。

 やはり、糸井は超人だった。負傷した7月17日の広島戦以来となる実戦。翌18日には出場選手登録を抹消されたが、約1カ月に及ぶブランクをものともしなかった。その名にふさわしい、ど派手な復活ショー。戦線離脱でたまった鬱憤(うっぷん)を、渾身の一振りで晴らした。

 1―3で迎えた3回2死走者なしの第2打席だった。1ボールからの2球目。左腕・山崎福が投じた内角直球を、きれいな軸回転で弾き返した。瞬く間に右中間フェンス上の防球ネットに突き刺さる弾丸ライナー。三飛に終わった初回の屈辱を、すぐに晴らした。これには、入場規制が設けられ、満員となった鳴尾浜球場の虎党も大興奮。悠然とダイヤモンドを一周すると、ベンチで仲間からの手荒い祝福に「どやっ!」と笑顔が弾けた。

 5回の第3打席は見逃し三振で、6回の守備からはベンチに退いた。試合後、本人は沈黙を貫いたが、復帰戦は3打数1安打。右翼の守備では2回に伏見の右前打を処理したのみだったが、無難な動きを披露し、攻守両面で回復ぶりを示した。

 「打席の中でフルスイングできて、結果が本塁打になった。体もレベルに振れていたし、内容のある本塁打」。掛布2軍監督の言葉からも、調整が万全であることが伝わってくる。今後のスケジュールについては「明日の状態を見て、本人が出ると言えば出場するし、(患部の)張りがあれば1試合は休む」とし、次戦もウエスタン戦出場が濃厚であることを明かした。

 広島戦前に京セラドームで現状を伝え聞いた金本監督も「打ったね」とひと安心の表情を浮かべたが、18日中日戦からの1軍合流を問われると「どうだろうね。まだ分からん」と慎重な姿勢を崩すことはなかった。ただ、糸井本人は、リハビリを再開した7月20日時点で「(最短)10日でしょ!?」と早期の1軍復帰を切望。それだけに、この日の一発は、これ以上ないアピールになったと言える。

 糸井にとって2軍戦出場は、日本ハム時代の08年7月30日以来約9年ぶりの出来事だった。現状、最短と目される18日・中日戦での1軍昇格へ。万全の準備を施しながら、着実に歩を進める。(久林 幸平)

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2017年8月16日のニュース