金本監督 藤浪頼むで 1軍復帰登板の16日広島戦は「彼の人生を左右する」

[ 2017年8月15日 07:46 ]

投内連係で軽快な動きを見せる藤浪
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 阪神・藤浪晋太郎投手(23)が14日、甲子園球場室内練習で約2カ月ぶりに1軍投手練習に合流した。5月26日のDeNA戦以来の復帰登板を見込まれる16日の広島戦へ向けて自分の投球に専念する決意を表明。金本知憲監督(49)は「彼の人生を左右する」登板と位置づけ、期待をかけた。

 ブラスバンドの演奏がBGMのように聞こえる甲子園室内練習場で藤浪は黙々と汗を流した。約2カ月ぶりの合流を喜ぶ感情はない。キャッチボール、ノックの後にブルペンで入念に調整。全メニューを終えたのは参加した5投手の中でダントツの最後だった。

 置かれた立場を分かっている。メッセンジャーが離脱し、投手陣が緊急事態にあるということも。ただ、今は雑念を封印した。

 「チームの状況は知っていますが、2軍から上がって来たばかりの選手にそんなことを考える余裕ない。しっかり自分のピッチングをすること。それに尽きると思います」

 春夏の甲子園連覇を成し遂げたドラフト1位の肩書を背負い、“エース道”を歩んできた大器が5年目で初めて大きな壁にぶち当たった。自分のボールと心をコントロールできずに陥った制球難。5月27日に初めて不振を理由に登録を外れた。

 2軍戦でも危険球退場を経験するなど一進一退。ミニキャンプで3週間強も実戦を離れた期間もあった。2度の中継ぎを挟み、降格後10度目の登板だった10日のウエスタン・リーグ、広島戦で5回を4安打1失点。ようやく復帰へつなげた。

 「やりたいことはたくさんできた。自分の感覚が良くなったということじゃないですかね。まだまだありますが、1軍に呼ばれたので」

 金本監督は単なる復帰登板とはみなしていない。あえて突き放した時間の中で何を感じ、どう変わったのか。必勝を求められる首位・広島との一戦を託し、「楽しみにしていますよ」とうなずいた。

 「彼がどうその気持ちを出してくれるのか。そういう場で、どういう姿を見せてくれるのかというのは、今後、彼の人生を左右すると言えばオーバーかもしれないけど、僕はそれぐらいの目で見たい」

 広島とは今季初対戦。昨季までは通算24試合で10勝8敗、防御率3・14が残る。「やっぱり強いですし、走攻守のバランスがいい。簡単には抑えられないので、しっかり投げきらないといけない」。23歳の夏。藤浪が勝負のマウンドへ戻ってきた。(山添 晴治)

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2017年8月15日のニュース