栗山監督が就任6年目で解禁したファンサービス たとえ敗れたとしても…

[ 2017年8月15日 11:40 ]

ファンにサインする日本ハム・栗山監督
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 日本ハム・栗山監督は就任6年目の今年、ある行動を「解禁」した。それは、敗戦後にバスからファンに向けて手を振ること。「去年までも手を振りたかったけど、“負けたのに手を振るのはおかしい”と思っていた。でも、今年はこんなに負けてるのにファンの人たちが自分に手を振ってくれる。自分が手を振り返すことで少しでも喜んでもらえるなら、と思って…」と胸中を吐露する。

 ファンを大切にする栗山監督にとって苦難の日々が続いている。昨季はソフトバンクとの最大11・5ゲーム差を跳ね返してのリーグ優勝と日本一を達成して北海道全土に歓喜を届けたが、今季は故障者が続出した影響もあって開幕当初から下位に低迷。チーム成績とは対照的に本拠地の札幌ドームには多くのファンが詰めかけ、6月24日の楽天戦(札幌ドーム)で主催試合の観客動員が早くも100万人を突破した。35試合目での突破は04年の東京から北海道への本拠地移転後で最速だ。

 ファンの存在を再認識するのが地方での主催試合だろう。チームバスの出迎えや見送り、そして球場でも客席とグラウンドの距離が近く、声援はダイレクトに耳まで届く。今季も函館、釧路、帯広など道内各地で試合を開催。チーム成績をそのまま反映するように8試合で1勝7敗と大きく負け越している。それでも各地で温かい声援を受け、たとえ大敗してもファンはナインが乗り込んだバスを手を振って見送っている。栗山監督も手を振ることで、感謝の思いを伝えるようになった。

 30以上の借金を抱えて5位に低迷し、クライマックスシリーズ進出さえも絶望的な状況。それでも野手では高卒6年目の松本が台頭し、ドラフト1位の19歳左腕、堀も今月に入って1軍デビューを果たした。中堅、ベテランも全員が必死になってもがいている。応援してくれるファンがいる限り「消化試合」はない。(記者コラム・山田忠範)

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2017年8月15日のニュース