ソフトB千賀「一歩目が僕なだけ」育成出身初!2年連続2桁勝利

[ 2017年8月13日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク1―0日本ハム ( 2017年8月12日    ヤフオクドーム )

<ソ・日>“1ダホー!特製椅子”に座り笑顔でポーズする千賀(左)とデスパイネ
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 ソフトバンクは12日、日本ハムを1―0で下した。先発の千賀滉大投手(24)が7回5安打無失点の好投で今季10勝目。育成ドラフト出身選手では史上初となる2年連続2桁勝利をマークした。東浜、バンデンハークに続き、2桁勝利投手3人目が誕生したチームは3連勝。2位・楽天と勝率1厘差で首位を守った。

 3度の得点圏のピンチを全てしのいだ。千賀が7回5安打無失点で2年連続2桁勝利。育成ドラフト出身者で史上初の快挙となった。

 「1点差でも(点差が)離れていても投げることは変わらない。長いイニングを0に抑えられてよかった」

 背中をつって途中降板した5月9日のオリックス戦以降、ようやく納得いく投球ができた。6回無死一塁。レアードに対し、1ボール1ストライクから外角低めへ148キロが決まった。最後はそこから外に逃げる139キロスライダーで空振り三振。「外の真っすぐが良かった。久しぶりに見た」と佐藤投手コーチ。3冠王を狙える位置にいる柳田のアシストのため、リーグ2位の26本塁打の助っ人に打撃をさせず、4番の大谷も3打数無安打2三振と封じた。対日本ハムは今季は6戦6勝となった。

 5日の西武戦は7回1失点と好投し6点リードで降板。だが、救援陣が追いつかれて10勝目は消えた。その夜に開かれた投手会で「おまえが7回で代わるからいけない」という話になった。本来なら同情されるところを、あえて突き放してくれた投手陣に「そう言ってくれる人は少ない。言葉が僕の背中に刺さった」と感謝した。その背中は再びつりそうになったが、114球を投げ抜いた。

 名古屋の地域密着型スポーツ店「西正スポーツ」の社長だった西川正二さんが、ソフトバンクのスカウトに情報提供し、10年育成ドラフト4位指名で始まったプロ生活。翌11年に西川さんは63歳で急逝したが、店を継いだ息子の史時さん(40)は千賀が活躍するたび「お父さんの置き土産だね」と声を掛けられる。

 「一歩目が僕なだけで、これからそういう選手は出てくると思う」。チームは3連勝。2位・楽天とは勝率1厘差と息詰まる優勝争いは続く。チームの軸として、育成選手の希望として、千賀はさらなる高みを目指す。(福浦 健太郎)

 ≪山口鉄(巨)は08年11勝≫千賀(ソ)が7回無失点で今季10勝目。2年連続2度目の2桁勝利をマークした。育成ドラフト入団選手の2桁勝利は08年山口鉄(巨)の11勝、昨年自身の12勝に次ぎ3度目になるが、1人で2度は千賀が初めてだ。なお、この日の勝利で今季の日本ハム戦は6戦6勝となり、防御率も1・40。7月29日の初回からは15イニング連続無失点と抜群の相性を見せている。

 ≪41年ぶり5試合が完封試合≫12日のプロ野球はパが3試合全て、セは3試合中2試合の計5試合が完封試合となった。1日に5試合が完封試合は76年9月25日に阪神2―0ヤクルト、巨人2―0中日、大洋3―0広島、阪急4―0南海、南海3―0阪急のセ3試合、パ・ダブルヘッダー2試合の全5試合で記録して以来41年ぶり。パの同日3試合が全て完封試合となったのは15年9月5日以来、2年ぶり。

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