仙台育英・長谷川 3ラン&6回零封 8割投法で打たせて3併殺

[ 2017年8月13日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権第5日・1回戦   仙台育英15―3滝川西 ( 2017年8月12日    甲子園 )

<滝川西・仙台育英>6回無失点と好投した仙台育英・長谷川
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 3試合が行われた。仙台育英(宮城)は長谷川拓帆投手(3年)が6回無失点、打っても3ランと活躍し、滝川西(北北海道)を15―3で下して出場8大会連続で初戦を突破した。日本文理(新潟)も1回戦に勝利。第3試合から2回戦に入り、神戸国際大付(兵庫)は谷口嘉紀外野手(2年)の2打席連続本塁打で北海(南北海道)を破った。

 恐怖の9番だ。仙台育英・長谷川が大甲子園を埋め尽くした4万7000人の観衆をバットで沸かせた。2回無死二、三塁、チェンジアップを捉えた打球は右翼席へ一直線。ガッツポーズしてダイヤモンドを一周し「バッティングは好き。とても気持ちよかった」と頬を緩ませた。

 高校通算本塁打はまだ4本目だが、佐々木順一朗監督は「新チームのスタートは4番だった」と話す。大会注目の左腕エースは、打撃も非凡。小6時に在籍した楽天ジュニアの監督だった楽天の沖原佳典スカウトは「(現在の同僚の)西巻、佐川がいた当時のメンバーの中でもパワーがあった」と回想した。

 投球では4回まで毎回先頭打者の出塁を許したが、3併殺を奪った。佐々木監督から助言された、力を適度に抜く「8割投法」。力投型だった今春センバツでは1回戦の福井工大福井戦で、2点リードの8回以降に4点を与えて逆転負けした。反省を生かした変身で6回を2安打無失点に抑え「心の余裕ができた」とうなずいた。

 昨秋の明治神宮大会も初戦敗退。これが新チームでつかんだ初めての全国1勝だ。いずれも敗戦投手となっていただけに「全国で1勝できて安心した」と笑顔。平沢(ロッテ)、佐藤世(オリックス)を擁して準優勝した15年夏はスタンド観戦だった。「先輩たちを超えられるように頑張りたい」。たくましくなった姿で帰ってきた長谷川が、東北勢初優勝の悲願達成に導く。 (東尾 洋樹)

 ◆長谷川 拓帆(はせがわ・たくほ)1999年(平11)4月30日、秋田県出身の18歳。小3から野球を始め、桜中では「3番・投手」。仙台育英では2年春からベンチ入りし、同秋から背番号1。最速は143キロ。1メートル78、82キロ。左投げ左打ち。

 ≪東北最多春夏43勝≫仙台育英が春夏通じ甲子園43勝目。池田(徳島)、東北(宮城)の42勝を上回る歴代単独23位となり、東北、北海道勢では前記の東北を抜く最多勝利校になった。また、夏は31勝目で、帝京を抜く単独14位に浮上した。

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