誠也“会心”24号3ランで打点王快走!初戴冠へ2位に6差

[ 2017年8月11日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―6中日 ( 2017年8月10日    ナゴヤD )

2回2死一、三塁、鈴木は左越えに3点本塁打を放ちナインとタッチを交わす
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 広島は10日の中日戦(ナゴヤドーム)で今季3度目のサヨナラ負け。先発の九里がリードを守り切れず、5―5の9回に抑えの今村が決勝点を献上した。そんな中でキラリと光ったのは鈴木誠也外野手(22)だ。2回に左翼へ24号3ラン。リーグトップ独走の85打点とし、2位に6差をつけた。初戴冠へ。若き主砲が実りの秋へと突き進む。

 悔しい結末だったためか、帰りのバスへと向かう鈴木は、険しい表情を崩さなかった。同点の9回1死一、二塁の勝ち越し機で、田島のスライダーにバットは空を切った。責任感が強いだけに、胸中は察するに余りある。群がる報道陣への開口一番は「どうでもいいです…」だった。

 鮮やかな一発。それは、1点差に詰め寄られた序盤2回に飛び出した。2死一、三塁の好機。中日の先発・八木がカウント2―1から投じた136キロの内角直球を振り抜くと、放物線を描いた打球は赤ヘル党で埋まる左翼席へ吸い込まれた。

 「積極的にいけた。自分のスイングで捉えることができました」

 珍しい自画自賛。試合中に送られた広報コメントには、技術を追求するがゆえの充実感がにじんだ。6日のDeNA戦以来、3試合ぶりの一発は中日を突き放す24号3ラン。それがチームの勝利に結びつかず、最後の好機に凡退した悔しさが開口一番に表れていた。

 8日に初点灯した優勝へのマジックが、一夜で消滅した中で迎えた一戦。プレーボール直後から自慢の機動力を生かして主導権を握った。初回2死から四球の丸が二盗に成功すると、鈴木も四球を選び、エルドレッドの中前先制打、新井の右前適時打につなげた。

 2回にも、1死から死球の田中が今季24個目の盗塁を決め、菊池も右前打で続いて好機をお膳立てしていた。その場面で放った3ラン。打点はリーグトップ独走の85となり、2位のDeNA・ロペスに6差をつけた。

 「まだ試合も残っているし、今日みたいな失敗をしないように、しっかり反省してやっていきたいです」

 帰りのバスに乗り込む直前、22歳は前を見つめて言った。連覇という大目標があり、個人記録は意識にない。ただ、そのすさまじいスイングを見せつけられると、初戴冠への期待は自然に高まる。本拠地で出直しを誓うチーム、4番を担う若き主砲は希望の星だ。 (江尾 卓也)

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2017年8月11日のニュース