“意外性の男”寺内 満塁V撃!敬遠勝負に「何が何でも打つ」

[ 2017年8月11日 05:32 ]

セ・リーグ   巨人5―2阪神 ( 2017年8月10日    東京D )

8回2死満塁から適時二塁打を放つ巨人・寺内
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 11年目の仕事人が若々しく喜びを爆発させた。2―2の8回、前の打者の村田は勝負を避けられて四球で2死満塁に。打率・133だった巨人・寺内は燃えていた。「何が何でも打ってやる」。1ボールからの150キロの直球を思い切り引っ張り、決勝2点二塁打に何度も右拳を突き上げた。

 「チームに貢献できて“よっしゃ!”という気持ち。ベンチのみんなも喜んでくれたのがうれしかった」

 今季の出場55試合は全て試合途中から。主に守備固めや代走の役割を担う。この日も7回無死一、二塁で長野の代打で登場し、きっちり犠打を決めた。「レギュラーに代打でバント。何としても決めたかった」。この犠打は後続が倒れて得点につながらなかったが、2打席目に自分のバットで勝負を決めた。今季3安打目が値千金の殊勲打だ。

 持ち前の集中力はJR東日本時代に養われた。「社会人(の大会)は一発勝負。そこで培ってきたものがある」。失敗が許されない重圧を感じるが「プロとしてそういう役割で出ている。練習から試合を想定した準備をしている」。一発長打はなくても、ここぞの勝負強さも武器だ。

 関東近郊のビジターの試合前には、若手と自主的にジャイアンツ球場でバットを振り込む。バント練習では右手だけでバットを持って球を捉える感覚を染み込ませる。チームを2カードぶりの勝ち越しに導いた「職人」を高橋監督は「ベテランと言っていい年齢。チームを助けてくれた」と34歳を称賛した。

 今季初のお立ち台で寺内は「いつまでも若手でいたい」と笑いを誘った。巻き返しを期す終盤戦も「若いベテラン」は欠かせない。(重光 晋太郎)

 【意外性の男・寺内】

 ☆12年CSでV打点 10月22日の中日とのCSファイナルS第6戦(ナゴヤドーム)、2回無死満塁で伊藤から2点先制打。決勝打となり、4―2で日本シリーズ進出に貢献。

 ☆13年マー君&マエケン撃破 10月17日の広島とのファイナルS第2戦(東京ドーム)で前田健から決勝3ラン。さらに同27日の楽天との日本シリーズ第2戦(Kスタ宮城)は田中から左翼席最前列へソロを放ち、一矢報いた。

 ☆15年プロ初サヨナラ打 9月23日の阪神戦(東京ドーム)で、高橋由の代走で7回から途中出場。同点の9回1死二塁で打席に入り呉昇桓(オスンファン)から中前へ人生初のサヨナラ打。東京ドーム10連勝の立役者に。

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