日本航空石川9回2死から土壇場逆転 “グルー”上田がV打

[ 2017年8月11日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権大会1回戦   日本航空石川6―5木更津総合 ( 2017年8月10日    甲子園 )

右前へ勝ち越しの適時打を放った日本航空石川・上田は雄叫びをあげる
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 テークオフ。日本航空石川が上昇気流に乗ったのは、土壇場だった。3点を追う9回2死一、三塁から安保が右前適時打。さらに三枡が一塁内野安打で続き、満塁の絶好機だ。

 「緊張せず楽しんで(打席に)入れた」。そう振り返った3番・原田が右前への2点打で同点。とどめを刺したのは2年生の4番・上田だった。「怖さはあったが、自分で決める気持ちだった」と左前に運んで勝ち越し。大会屈指の左腕、木更津総合の山下から4連打で逆転に成功した。

 山下対策が実を結んだ。最速149キロを誇る左腕に対し、打撃マシンを150キロに設定。打撃投手も通常より2メートル前から投げさせ、打ち込んだ。さらに、中村隆監督は7回からベース寄りに立つように指示。内角を投げづらくさせ、外角球に狙いを定めた。それまで無安打だった上田もラインぎりぎりに立ち「狙っていた」という外角のスライダーを逆方向にはじき返した。

 「明るくみんなお調子者。乗ったときは集中打を打ってくれる」と指揮官。石川大会準決勝でも昨夏決勝で敗れた星稜に最大5点差を逆転勝ちした。14年の小松大谷との決勝で9回に8点差を逆転した「ミラクル星稜」を相手にだ。その試合でサヨナラ打を放った上田がまたも決勝打だ。

 1メートル85、97キロの恵まれた体格。愛称は公開中の映画「怪盗グルーのミニオン大脱走」に出てくるグルーだ。初出場だった09年は1勝止まりで「まずは8年前の先輩を超えたい」。クルーならぬ、グルーは頼もしかった。

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2017年8月11日のニュース