大阪桐蔭・徳山「藤浪魂」で史上初2度目の春夏連覇へ

[ 2017年8月5日 08:43 ]

第99回全国高校野球選手権大会1回戦   大阪桐蔭―米子松蔭高等 ( 2017年8月10日    甲子園 )

ボール回しで笑顔をみせる大阪桐蔭・徳山
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 第99回全国高校野球選手権大会(7日から15日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日に大阪市内であり、今春の選抜大会を制した大阪桐蔭(大阪)は大会第4日の第4試合で米子松蔭(鳥取)との対戦が決まった。史上初、2度目の甲子園大会春夏連覇へ向け、抽選会前には甲子園練習で調整に努めた。

 偉業を狙う今夏。最高の舞台が用意された。史上初、2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭の初戦は大会4日目の第4試合に決定。米子松蔭との対戦だ。同じ日に登場する8校中、全国制覇を成し遂げた学校は6校あり、うち4校が春夏の連覇校。大観衆が見込まれ、西谷浩一監督は独特の言い回しで苦笑いを浮かべた。

 「監督を含めて濃い感じですね」

 歴代最多63勝を誇る高嶋仁監督率いる智弁和歌山をはじめ、広陵、中京大中京、横浜、興南。好カードの連続で観客の熱気に包まれる中、1回戦に臨む状況を最速147キロのエース徳山は歓迎した。

 「歓声も大きいだろうし、そういうところで投げられるのはいいこと。初戦を任されると思うので、万全の状態で向かいたい」

 胸には藤浪魂を宿した。春夏連覇を成し遂げた12年。夏の大阪大会決勝で藤浪(現阪神)は激しく打ち込まれた。甲子園の初戦は沢田(現オリックス)の先発も…という空気も生まれたという。打ち消したのが藤浪の姿勢だった。「打ち込まれた後、藤浪さんは誰よりも練習したと聞きます」。背番号1を受け継ぐ右腕は先輩に続く意気込みを示した。

 今春選抜の決勝で史上初の個人2本塁打を放った2年生の1番打者・藤原も言葉に力を込めた。「人がたくさん入るのでラッキーです。モチベーションも上がります」。個人目標に大会3本塁打を掲げ、「この夏は暴れたい」と続けた。福井主将も「日本一へのこだわりが強い」と部員の総意を代弁した。

 激戦の大阪大会を勝ち抜いた後、西谷監督はことあるごとに連覇の2文字を口にしてきた。「99年の歴史の中で春夏連覇したのは7校。2度達成したチームはないと聞きます。歴史にないものに挑戦したい。簡単なことじゃないですが、こんなチャンスはない」。球史に新たな1ページを記す夏が始まる。(吉仲 博幸)

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2017年8月5日のニュース