おかわりダメ押し24号!西武 西鉄時代以来59年ぶり13連勝

[ 2017年8月5日 05:30 ]

パ・リーグ   西武8―4ソフトバンク ( 2017年8月4日    メットライフドーム )

<西・ソ>7回無死、中村が岡本からソロアーチを放つ
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 野武士軍団に追いついた。西武は4日、ソフトバンクに逆転勝ちし、西鉄時代の1958年以来59年ぶりの13連勝。同点に追いついた5回、山川穂高内野手(25)が勝ち越しの2点二塁打。中村剛也内野手(33)も7回に24号ソロでダメを押した。首位ソフトバンクと5・5ゲーム差に縮め、5日の同戦で57年に並ぶ球団記録の14連勝に挑戦する。

 主砲も目覚め、ついに歴史の扉に手をかけた。待望のアーチが描かれたのは4―3の7回だ。先頭の中村が高めチェンジアップを捉える。13連勝をたぐり寄せる24号ソロが左翼席中段にまで届くと、呼び水となりこの回4得点で試合を決めた。

 「ここ何試合も打てていなかったので何とか打ちたかった」。初回の先制適時二塁打など3長打で今季初の猛打賞。本拠地通算169号で秋山幸二を抜き、単独トップに立った。12連勝中は40打数6安打の打率・150、3本塁打、7打点。オリックス3連戦での3戦連発こそあったが、チームの勢いには乗り遅れていた。通常930〜940グラムと、軽量化が進む球界では重めのバットを使う。左股関節痛などで状態が万全でなかった昨季は夏場に約20グラム軽いバットを使用したが、感覚がなじまず2試合でやめていた。今季は軽いバットは発注せず、体調面に不安のない証拠。試合前練習では辻監督に調子が上向いていることも告げていた。

 西鉄時代の1958年以来、59年ぶりの13連勝。その連勝から22日後に生を受けた辻監督は「今日は中村ですよ。あのホームランが一番うれしかった」と喜んだ。絶好調の山川も5回に中堅フェンス直撃の決勝2点二塁打。「センターフライかと思ったけど、振り切ったので伸びてああいう感じになってくれた」。“恐怖の6番”はここ3試合で12打数8安打、3本塁打、9打点だ。59年前、球界を震えさせたのが豊田泰光、中西太、大下弘と並ぶ流線型打線。どこからでも得点できることからそう呼ばれ恐れられた。主砲の復調で炎獅子打線もその域に達しようとしている。

 Bクラス3球団に続き、2位・楽天と4カード連続の同一カード3連勝。そして4連敗中だった首位のソフトバンク相手にも勝った。5日も勝てば57年の球団記録に並び、6日も勝てば球団新記録でパ全球団相手の5連続同一カード3連勝だ。炎獅子ユニホームの不敗も続き「一回も負けてないから赤にしますかね?まあないと思うけど」とおどけた中村。燃えたぎる獅子の勢いは、伝説の野武士軍団の幻影さえも突き破らんかのようだ。 (後藤 茂樹)

 ≪球団タイ王手≫西武が7月21日の日本ハム戦から13連勝。チームの13連勝以上は、西鉄時代の58年9月14日から10月2日の13連勝以来59年ぶり3度目となった。球団記録は57年の14連勝で、タイ記録に王手をかけた。パで13連勝以上は昨年日本ハムの15連勝以来延べ14チーム目。過去13チームのうち9チームが優勝しておりV確率は69%で、西武に限れば100%になるが今年はどうか。

 ▽58年の西鉄 7月24日の時点で首位・南海に11ゲーム差の3位も、球宴明けの8月以降は50試合で36勝12敗2分けで、9月14日から10月2日には13連勝をマーク。5試合を残した9月28日に首位に浮上し、10月2日に優勝を決めた。2位・南海とは1ゲーム差だった。その年、中西が打率、本塁打の2冠を獲得。主に3番を打った豊田もパ6位の13本塁打を記録した。日本シリーズでは巨人と対戦し3連敗後に4連勝。4勝したエース稲尾は「神様・仏様・稲尾様」と称された。

 ◆1958年(昭33)の世相 東京タワー(東京都港区)が完成。パリのエッフェル塔をしのぐ333メートルで、当時の世界一の高さとなった。「フラフープ」が大流行し、昭和の大スター・石原裕次郎が使った「イカす」の流行語も生まれた。野球界では「ミスター」こと巨人・長嶋茂雄がデビューし、大ヒットした野球盤(エポック社)が発売された。

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