メッセ様々!今季初完封でトップタイ11勝 阪神自力V一夜で復活

[ 2017年8月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―0ヤクルト ( 2017年8月4日    京セラドーム )

<神・ヤ>今季初完封で11勝目を挙げたメッセンジャー
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 阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)が4日のヤクルト戦(京セラドーム)で通算10度目の完封を成し遂げた。4安打に封じ、今季虎投手陣では初完封。延長12回引き分けだった前夜を含む広島3連戦でフル回転した救援陣を救う力投で巨人・菅野に並ぶリーグトップの11勝目を挙げた。今季のチーム最短2時間20分で試合を終わらせ、自力優勝の可能性を一日で復活させた。

 最後の打者・山田を遊ゴロに仕留めても、メッセンジャーは派手なガッツポーズをしなかった。先発投手として最高の結果は虎のエースにとって特別ではないからだ。

 「試合開始前から完封というのは意識していた。毎試合投げる前から最後まで投げる。マウンドを降りるつもりはない…と思っているからね」

 4安打に抑え、9三振を奪った。「全ての球種が良かったし、コース、バランスをうまく使うことができたよ」。窮地は5回だけ。1死からの連打で一、三塁。中村はカウント2―2から低めのカーブで空振り三振に仕留め、三塁走者を挟殺した梅野の好判断にも背中を押された。

 試合前には金本監督から「リリーフ陣が疲れているから今日は1人で頼む!」と声をかけられ、「任せとけ!」と即答した。127球の力投。それも中5日で投げ抜いた。有言実行の今季チーム初完封で指揮官を「今日はとにかくメッセ」とうならせた。

 来日8年目ともなれば詳しいのは野球だけじゃない。

 「政治や外交かな。北朝鮮やアメリカのことはすごく気になる。あっち(米国)にいる父からも“日本は大丈夫なのか”と連絡がくるからね。長く居させてもらっているから、野球だけじゃなく、そういうことも気にしておかないとね」

 主な情報源はテレビの報道番組。自宅で見過ぎていると「こんな暗い番組、見たくない!」とベネッサ夫人から叱責(しっせき)?されるそうだ。「そういう時はネットや新聞でチェックするよ」。遠征先では新聞片手に宿舎内を歩く光景も珍しくない。心身共に完璧に適応しているから異国の地でも安定した結果を残せる。

 前夜は4時間34分の激闘で延長12回引き分け。広島からの移動試合を2時間20分で終わらせ、3連投のフル回転だった岩崎ら救援陣だけでなく疲労の残る野手陣も助けた。まさに助っ人の働きだ。自力優勝の可能性を復活させても広島の背中はまだ遠い。大黒柱であるメッセンジャーなくして逆襲はあり得ない。 (巻木 周平)

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2017年8月5日のニュース