DeNA山崎康 復活S 3度目の正直、ラミ監督「あれを待っていた」

[ 2017年8月4日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA4―3中日 ( 2017年8月3日    横浜 )

<D・中>9回の1イニングを3者凡退に仕留めたDeNA・山崎康
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 あとアウト1つで、ギアを入れ直した。4―3の9回2死。DeNA・山崎康は、リーグトップ28本塁打のゲレーロを打席に迎えた。2ボール2ストライクと追い込んでからの5球目。宝刀のツーシームで空振り三振に斬ると、右拳を握り雄叫びを上げた。

 「2試合続けて2アウトからやられていたので、死ぬ気で投げた。何とかやり返すという気持ちだった」

 背水のマウンドだった。前日は2点リードの9回に登板も、2死走者なしから同点に追いつかれた。結局チームは、延長12回で引き分け。7月30日の巨人戦も9回2死としながら相川にサヨナラ打を浴びており、2試合連続のセーブ失敗。いつも報道陣に丁寧に対応する右腕がコメントせず帰宅するほどにその責任を痛感していた。

 この日の試合前に監督室に呼ばれた。ラミレス監督から「最後もヤスでいく。君は信頼を勝ち取っているんだから、自信を持っていきなさい」と声をかけられた。シーズン序盤で中継ぎに転向も、結果で守護神の座を奪い返した。「最後まで譲るつもりはない」と、もう一度気持ちを奮い立たせた。

 昨季も調子を落とした夏場。同じ失敗を繰り返さないために、通常は落とすランニング量を維持。そんな姿を見て「彼は一生懸命にやっている」と揺るぎない信頼を口にする指揮官は「最後のスリーアウト目のボール、あれをみんな待っていたね」と喜んだ。

 チームの連敗を3で止め、2位・阪神とは1ゲーム差。1勝の重要度はより増してくる。指揮官は「上位に行くためにはヤスの活躍が必要」との言葉に、山崎康も「チームの象徴になれるようにしたい」と言った。大事な夏の戦いに山崎康が復調を遂げた。 (中村 文香)

 ▼DeNA・今永(6回3安打3失点でチームトップの8勝目)調子はあまりよくなかったが、悪いなりに工夫をして投球することができた。

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